海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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KLIAエクスプレスとクアラルンプールの都市鉄道

[2014年5月]

今回はマレーシアの首都、クアラルンプールを走る都市鉄道をご紹介します。クアラルンプール都市圏で運行されている鉄道には、マレーシア鉄道 (KTM) が運営する「KTMコミューター」、ラピッドKL社がが運営する「LRT」と「モノレール」、そしてエクスプレス・レール・リンク (ERL) 社が運営する「KLIAエクスプレス」と「KLIAトランジット」があります。KTMコミューターは以前にこちらで少し紹介したので、今回はそれ以外の、KLIAエクスプレス、KLIAトランジット、LRT、そしてモノレールの各路線を紹介します。

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クアラルンプール国際空港 (KLIA) に降り立った後、最初にお世話になるのが空港連絡鉄道のKLIAエクスプレス。駅は空港ターミナルの地下に直結しており、非常に便利です。クアラルンプール中心部のKLセントラル (KL Sentral) 駅までノンストップで走ります。一方、同じ線路を各駅停車で走るKLIAトランジットという列車も運行されていますが、表示はないものの乗り場は同じです。


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空港第1ターミナルの地下にあるKLIA駅。KLセントラル駅までの切符 (35リンギット=約1100円) を買ってホームに入ると、スクリーン式ホームドアが設置された1面2線の島式ホームに出ます。KLIAエクスプレスとKLIAトランジットとで線路を1本ずつ分け合い、それぞれを単線並列として使用しています。LCC専用の空港第2ターミナル (KLIA2) へ行く逆方向の列車も同じ乗り場から発着するため、乗車の際には注意が必要です。


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KLIAエクスプレスの車内。ゆったりとした間隔のボックスシートが並びます。低床構造の車両で、台車部分の床が高くなっているのが特徴です。空港連絡鉄道らしく、大型荷物置場が設置されています。トイレもあります。


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KLIA駅を発車した列車は、すぐに地上に出て高架橋に上がり、しばらくは木が生い茂る緑の中を走ります。列車の最高速度は160 km/h。台車の真上の席に座っていると、少々振動が響く感じもありますが、軌道状態が良好で、乗り心地も上々です。


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途中、KTMコミューターやLRTの線路とも並走したりしながら、列車は徐々に市の中心部に近づいていきます。車窓にはクアラルンプールのランドマークであるペトロナス・ツインタワーが見えてきます。


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再び地下に潜ったところで、終点のKLセントラル駅に到着。KLIA駅からの所要時間は28分。一方、同じ線路を走る各駅停車のKLIAトランジットについては、各駅停車といっても途中3駅しかないので所要時間も大差なく、おまけに料金も同じということで、どちらに乗ってもあまり違いはなさそうです。このKLセントラル駅からは、更に様々な路線に乗り継ぐことができます。


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KLIAトランジットのみが停車する途中駅ですが、ホームドアがなく、列車の姿を観察するのに好都合です。写真の列車は、KLIAエクスプレス専用編成 (X編成) が使用されている、空港行きのKLIAトランジット。X編成が間合い運用でKLIAトランジットに使われることは結構ありますが、逆にKLIAトランジット専用編成 (T編成) がKLIAエクスプレスの運用に入ることは基本的にないようです。


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こちらはKLIAトランジット専用のT編成。外見的にはX編成とほぼ同じですが、編成番号や車体側面のロゴで見分けることができます。


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外見上の差が少ないX編成とT編成ですが、車内の様子は少々異なっています。KLIAトランジット用のT編成は、KLIAエクスプレス用X編成と比較して、椅子の数が少ない、大型荷物用の棚がない、トイレがない、といった違いがあります。


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ここからは、マレーシア市街地を走るLRTとモノレールを紹介。LRTが2路線とモノレールが1路線あり、かつては路線毎に個別に運営されていましたが、現在はラピッドKL社により運営が一体化されています。写真LRTのクラナジャヤ (Kelana jaya) 線で、1998年の開業。LRTと呼ばれていますが、日本でいうところのミニ地下鉄に似たシステムで、リニアモーター駆動に無人運転という、近代的なシステムが採用されています。


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クラナジャヤ線の車両には4両編成と2両編成とがあり、両者は概ね交互にやってきます。2両編成が来ると少々ハズレ感がありますが、KTMコミューターやKLIAエクスプレスとは違って運転本数が多いため、ラッシュ時でなければ窮屈に感じることは少なそうです。


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クラナジャヤ線には、市内中心部に地下区間もあります。こちらでもやはりホームドアが設置されています。


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こちらは、もう一つのLRT路線であるアンパン (Ampang) 線。1996年の開業で、クラナジャヤ線と開業時期は近いですが、雰囲気は大きく異なります。粘着式鉄道、有人運転というオーソドックスな方式が採用され、また全区間が地上走行となっているのも、クラナジャヤ線と異なるところです。車両は2両連接の車両が3組連結された6両編成で、連接車同士以外の連結部は通り抜けができません。


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最後はモノレール。LRTよりも新しい2003年の開業です。モノレールの駅もKLセントラル駅に接続されていますが、なぜか他の路線と異なり、駅舎の隣のパークソン (百盛) 百貨店を通り抜けた先の、少々わかりにくい場所にあります。KLセントラルでは端っこに追いやられた感じのモノレールですが、運行頻度はLRTと同様に高く、利便性が高い路線です。


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モノレールの車両は短車体の2両編成で、マレーシアの国産車両。片開扉から少し古めかしい印象も受けます。LRTとモノレールの各路線は、いずれも利用実績が計画を下回って経営危機に陥り、その救済として経営統合されるに至りました。一方、以前は乗車券も別々に買う必要があったものが、現在は一枚のトークン各3路線相互の乗換が可能となり、利用者にとっては使い勝手が大きく向上しています。クアラルンプールの街歩きには何かとお世話になる存在です。


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