海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ハノイ ~ ダナン : 統一鉄道の北半分を行く寝台列車

[2014年8月]

北の首都ハノイと、南のベトナム最大都市ホーチミンシティ (サイゴン) を結ぶ南北線、通称「統一鉄道」では、30時間以上かけて全区間を走破する列車が良く知られていますが、他にもいくつかの区間列車が運行されています。今回は、ハノイから中部のダナン (Đà Nẵng) までを走る寝台列車に乗って、統一鉄道の北半分だけを旅してみることにします。もっとも、南まで行かない列車でも「統一鉄道」と呼んで良いのか分かりませんが…。

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夜のハノイ駅。現在、構内の改良工事が進められており、旧来の低床式ホームと、新たに嵩上げされた高床式ホームが混在しています。跨線橋の設置も進められており、従来、北行きと南行きの列車で分けられていた駅舎 (ハノイA駅とハノイB駅) も、将来的に統合されるのかもしれません。


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今回乗車する、ダナン行きSE19列車は、駅舎に隣接した1番ホームからの出発。ここは既に高床式ホームになっています。発車予定時刻は19:35です。


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入り口では、出入台のステップによる逆段差を避けるため、ホームとの間に渡し板が掛けられています。列車は、ダナン方面から順に荷物用貨車 - HC (食堂車) - B (ハードシート車) - A (ソフトシート車) x 2両 - BN (ハードベッド車) x 2両 - AN (ソフトベッド車) x 4両 - CVPĐ (乗務員居住区+電源車) という編成。今回はソフトベッド車に乗車します。


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列車の発車直後に早速ベッドで寝入ってしまい、気がつくと列車はヴィン (Vinh) に停車中。北部の主要都市ですが、さすがに夜中で客の乗降は多くありません。


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翌朝、晴れ渡った空の下、列車は田園地帯を快調に走っていきます。


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列車はドンホイ (Đồng Hới) に約30分遅れで到着。この駅でかなりの下車があり、私がいたコンパートメントも他の客は全員下車。ドンホイには空港もあり、ハノイとの間に便も設定されていますが、列車の人気も高いようです。


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ドンホイは南北線の管轄が分かれる駅で、機関車の交換も行われます。


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ハノイから牽引してきた中国製のD19E (左) から、ドイツ製のD20E (右) へ交換。D20Eはベトナム鉄道の最新鋭ですが、中部地区に集中配備されているため、ハノイやホーチミンシティ近辺では見ることができません。


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隣に停車中の列車は、ドンホイ発ヴィン行きの普通列車VĐ32。年季の入ったハードシート車や木製ロングシート車のみで構成されている、ローカル色の強い列車です。この手の車両は最近まで濃緑の塗色を纏っていましたが、現在は全車両の塗色統一化が進められています。


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再び列車に戻って旅を続けます。私の乗った車両は最後尾で、先頭に連結された食堂車まで行くのが大変面倒。車内販売の朝食が来るのをずっと待っていましたが、空腹に耐え切れずに頑張って先頭の食堂車へ出向きます。注文したのは、ベトナムの朝には定番の鶏肉入りおかゆ (チャオ・ガー Cháo gà)。一杯20,000ドン (約100円) と、まあまあ良心的な値段です。鶏肉がたっぷり盛られ、ご飯の下には香草も。美味しく戴きます。


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少しずつ日が高くなってきました。今回の旅は天気に恵まれていそうです。


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古都として有名なフエ (Huế) に到着。ここまで来ると、車内も結構ガラガラになります。ここからはいよいよ、統一鉄道のハイライト区間である、ハイヴァン (Hải Vân) 峠越えです。


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山には不穏な雲が掛かっていますが、何とか天気が持つことを祈ります。


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山間部に入ると、列車は超低速運転へ。山肌に沿って急カーブが連続する区間を、列車は車輪を軋ませながら登っていきます。


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少し心配していた天気は、来てみれば全く問題なし。眼下には鮮やかな青い海が広がります。


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峠の最高地点をトンネルで抜けると、後は下り。遠くにダナンの街並みが見えてきます。


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終点ダナンには、45分遅れの午後1時前に到着。ダナンは中部最大の都市で、統一鉄道のちょうど中間地点にあたります。スイッチバック式の頭端構造の駅で、ここから更に南へ向かう列車は、方向転換して逆向きに走りますが、今回はこの駅で旅は終了です。


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