海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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チェルニウツィ ~ リヴィウ : ウクライナ自慢の国産気動車

[2019年5月]

電化率が高いウクライナですが、西部地域は非電化区間も多く残っており、気動車やディーゼル機関車牽引の列車が数多く運行されています。チェルニウツィ (Chernivtsi) からリヴィウ (Lviv) までの区間には、ウクライナ国産の新鋭気動車、DPKr2型が投入されています。この列車に乗車してみます。

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チェルニウツィ駅、朝の6時前。リヴィウへ向けて午前中に出発する列車は1本しかなく、早朝の列車に乗るために早めの起床です。


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リヴィウ行きは6時4分発の702列車。


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主要都市どうしを結ぶ区間ながら、列車の本数が少ないため、この列車は毎日ほぼ満席。早朝にも関わらず、駅では大勢の乗客が列車の到着を待っています。


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列車がやってきました。新型車らしい精悍な面構えです。DPKr2型はウクライナ国内のクリュキウ (Kryukiv) 車両工場によって初編成が2014年に製造され、2015年より営業運転に投入されています。


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DPKr2型は一時は増備計画もあったものの、結局は3両編成1本しか製造されず、現在はこの区間でのみ運行されています。増備が打ち切られた理由は不明ですが、クリュキウ車両工場社ではすでに後継形式となるDPKr3型の製造が開始されています。


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車内の様子 (下車時に撮影)。二等車のみのモノクラス編成で、全車指定席です。広軌で車体サイズに余裕があるとは言え、座席は横6列の詰め込み設計。この設備で満席だと結構辛いです。


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列車は軽快に走ります。振動もほとんど感じられず、乗り心地は良好。でもやはり座席が狭すぎて居住性にはかなり難があります。早く終点のリヴィウに着かないかなと願うばかり…。


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途中駅では気動車のローカル列車とすれ違い。


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チェルニウツィを発って約2時間、沿線で最大の駅となるイヴァノ=フランキウシク (Ivano-Frankivsk) に到着。ここでようやく中間地点です。窓から見えるのは、ディーゼル機関車牽引のプッシュプル客車列車。この地域には結構個性的な車両が多く走っているようで、また改めて訪問してみたいところです。


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DPKr2型は設計上は140 km/hまで出せますが、この列車の最高速度は100 km/h程度。


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チェルニウツィから約4時間で、終点のリヴィウに定刻に到着。狭い座席から解放されてようやく一息つきます。同区間を走る他の列車は客車列車のみで、所要は6時間弱で時間帯も悪く、時間を有効に活用しようと思うと、どうしてもこの列車に乗らざるを得なくなります。


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リヴィウでは近郊列車用ホームに到着。以前は他の長距離列車が発着するメイン駅舎のホームを使用していましたが、設備の負荷軽減のため2019年より発着場所が変更されています。メイン駅舎と近郊列車用ホームとの間は徒歩で10分ほどの距離があるため、乗車の際には注意が必要です。


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