海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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宜蘭 ~ 花蓮 ~ 台東 : 新型特急列車「普悠瑪号」

[2016年3月]

2013年に登場した台湾の新型特急電車「普悠瑪 (プユマ) 号」に乗って、台湾の東部幹線を旅します。

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台湾北東部の街、宜蘭。台北からの直線距離は50 km弱ですが、あいだに山脈が立ちはだかっているため、線路は迂回するルートをとっており、特急列車「自強号」でも約1時間半ほどかかります。山脈を貫く短絡線の建設計画があり、実現すると所要時間は30分ほど短縮される見込みです。宜蘭駅の駅舎にはジャングルを思わせる装飾が施されており、駅舎をバックに記念撮影する人の姿も見受けられます。


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ホームで列車を待っていると、隣に花蓮からの「復興号」が入線。「復興号」は準急相当の列車ですが、年々運行本数が減らされ、現在は東部幹線を中心に不定期列車や團體列車 (旅行代理店の借上げ列車) として少数が活躍するのみです。この青い車体の客車も少々貴重になりつつあります。


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今回乗車する、樹林発花蓮行きの自強218次。台湾の最新鋭特急型電車、TEMU2000系が充当されています。愛称は「普悠瑪 (プユマ) 号」。先輩格のTMEU1000系「太魯閣 (タロコ) 号」と同じ車体傾斜式車両ですが、傾斜方式が制御付き自然振子式から、空気ばね車体傾斜方式に変わっています。


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座席は窓側ですが、客室の一番端。窓が非常時換気用のものとなっており、景色を見るにも桟が少々邪魔です。残念ながら、ちょっとハズレの席。


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TEMU2000系は日本車両製。TEMU1000系を製造した日立製作所から製造会社が切り替わったのは、国際入札の結果によるものです。TEMU2000系はすでに8両編成x19本、152両が投入され、TEMU1000系の投入両数 (8両編成x8本、64両) を大きく上回っています。なお、TEMU1000系のうち2編成は2016年に増備されたものです。


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普悠瑪号は人気が高く、この日が週末ということもあってか、車内はほぼ満員。この列車に限らず、普悠瑪号や太魯閣号は週末を中心に混雑する列車が多く、指定席の発売開始日ですでに満席になってしまうことも珍しくないようです。


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快調に走る列車は、乗り心地も上々です。海沿いの景色が良い区間を走りますが、残念ながら座席は山側で、見える車窓は今一つ。あいにくと天気も今一つです。


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列車は立霧渓と呼ばれる大きな川を渡ります。この川の上流域には、太魯閣号の名前の由来となった「太魯閣渓谷」があります。手前に見える青い橋も、「太魯閣大橋」という名前です。


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太魯閣渓谷の最寄り駅である、新城 (太魯閣) に停車。元々はただの新城駅という名称でしたが、地元の請願で「太魯閣」の名称が付されています。ただ、やはり実際の観光拠点としては花蓮の方が便利なようです。


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宜蘭からおよそ1時間で、終点の花蓮に到着。


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台湾東部の主要都市である花蓮。今回は30分後に次の列車に乗り継ぐため、あまり散策する時間もありません。駅前を少しうろついた後、すぐにホームに戻ります。


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続いて乗車するのも普悠瑪号。樹林発台東行きの自強422次です。実のところ、花蓮で乗り継ぎをしなくとも、宜蘭から台東までこの列車一本で行くこともできるのですが、指定券発売開始日に予約を試みたにも関わらず、花蓮までの区間は空席がなく、仕方なくここまで別の列車に乗ってきたという次第。普悠瑪号の予想以上の人気には驚かされますが、途中乗り継ぎとはいえ、乗れただけで幸運だったかもしれません。


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花蓮から台東までの区間は、2014年に新規に電化されました。TEMU2000系の新規投入は、この電化区間の開業による、所要車両数の増加に合わせて実施されたものです。花蓮以南も普悠瑪号の需要は旺盛で、列車は引き続きほぼ満員です。


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台湾では、全車指定席の列車 (復興号以上の全ての優等列車) に指定券なしで乗車できる「自願無座」という制度がありますが、普悠瑪号や太魯閣号は例外とされ、指定券を購入せずに乗車することが禁止されています。仮に指定券なしで乗車した場合、5割増の料金が罰金として徴収されます。車内のモニターでも繰り返し案内されています。


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花蓮から約2時間で、終点の台東に到着。


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台東でも復興号に遭遇。新左営行きの復興782次で、週末のみ運転の不定期列車です。乗りたいのはやまやまですが、台東からは別の列車に乗車予定のため、今回は涙をのんで断念。


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市の外れにある台東駅。南廻線の開業に伴って現在の場所に移転し、市中心部にあった旧駅 (台東舊站) は2001年に廃止されています。現在の台東駅の周りには特に何もありません。


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