キャンディ ～ コロンボ : 豪華列車「エクスポ・レイル」
[2015年10月]
スリランカ内陸の観光都市キャンディ (Kandy) から、最大都市コロンボへ、豪華列車「エクスポ・レイル (Expo Rail)」に乗って移動します。エクスポ・レイルは、同様なサービスを提供している「ラジャダニ・エクスプレス (Rajadhani Express) 」と同じく、専用車両を定期列車に併結する形で運行されています。
キャンディ駅の構内。複数のプラットホームに加え、多くの留置線も設けられた、規模の大きなターミナル駅です。ラジャダニ・エクスプレスと同じく、エクスポ・レイルも乗車前にインターネットの予約控えを持って正規乗車券に引換えを行う必要がありますが、乗車駅の窓口で引換えが可能なので、それほど不便ではありません。
乗車予定の列車はすでに入線していますが、少しだけ他の列車を観察。こちらの車両は、急行列車として使用される中国製のプッシュプル式列車S12系。S10系と似ていますが、山岳線用に車体長が短くなっています。一等、ニ等、三等車から成る三等級制ですが、客車で運行される列車とは異なり一等車には展望室はありません。
今回乗車する、エクスポ・レイルは、こちらの車両。インターシティ1010列車との併結による運行です。牽引機はドイツ製のM6形機関車。
機関車の次位に連結された、エクスポ・レイル用の特別車。写真奥側の小さな部分に、開放式の展望デッキが設置されています。
車内の様子。乗車率は高く、8割方の席が埋まっています。一見豪華な内装に見えますが、作りこみが今ひとつなのはラジャダニ・エクスプレスと同様。ネット上の情報から座席位置を推測して、景色が良い側の席を確保したつもりだったのですが、車両の連結方向が事前情報とは逆になっており、残念ながら座席位置も予想と反対側です。座席もすべて進行方向後ろ向きになっています。
更に言うと、私の席は窓割がかなり悪く、仮に座席位置が予想通りだったとしても、初めから車窓は絶望的だった模様。この車両、中古客車の改造車であることは容易に想像がつきますが、「豪華車両」と銘打つのであれば、車窓面にももう少し配慮が欲しかったように思います。
自席に留まっていても面白くないので、早々に展望デッキへ移動。実際、客室内よりデッキにいる方が楽しいのですが、これでは一般車両のデッキに立っているのと大差なく、わざわざ「豪華列車」に乗る意味があったのかは甚だ疑問です。ちなみに、エクスポ・レイルには軽食のサービスがあり、予約時にベジタリアンとノン・ベジタリアンの選択までできるようになっているのですが、実際に出てきたのはカップケーキが2つのみで、全員共通の内容。色々騙された感があります。
天気も曇ってきました。
曇り空の元、引き続き展望デッキで景色を眺めていると、時々顔に水滴が当たります。とうとう雨が降ってきたのかと思いきや、どうやら水滴の正体は、エアコンの排水。排水口が窓より上に設けられており、その水がちょうど展望デッキの窓の高さに飛んでくるようです。色々残念です。
キャンディからおよそ2時間半で、終点コロンボ・フォート (Colombo Fort) の一つ手前の駅、マラダーナ (Maradana) に到着。本来ならこの駅は通過のはずですが、なぜか停車し、しかも降りても良いというので、宿泊しているホテルも近いこの駅で降ろしてもらうことにします。ラジャダニ・エクスプレスと同じく、中途半端感に溢れた旅でした。
隣のホームに、貨物列車が停車中。ついでなので写真だけ撮っていきます。牽引機はカナダ製のM4形機関車。
最後尾に連結されているのは、イギリス製と思しき旧型客車。旅客・荷物合造車のようです。車掌車の代わりに連結されているだけのように見えますが、仮に客扱いをしているのであれば、ぜひとも乗ってみたい車両です。
