台北 ~ 高雄 : 台湾高速鐵路 (台湾新幹線) の旅
[2007年5月]
2007年に開業したばかりの台湾高速鐵路 (台湾新幹線) に早速乗ってみることにします。通称は「高鐵」で、「新幹線」とは呼ばれていませんが、言葉自体は広く知られおり、「台湾新幹線」と呼んでもだいたい通じるようです。
高鐵の基点は台北の中心駅、台北。大きな駅舎が地上にありますが、高鐵、台鐵 (在来線)、そして捷運 (地下鉄) とも、ホームは全て地下化されています。
高鐵の切符は、発券窓口の他、自動券売機でも買えます。窓口のほうはいつも混雑しているので、自動券売機の方がお勧めです。もちろん指定券の購入も可能。表示は中国語か英語が選択できます。支払いには現金、クレジットカード、キャッシュカードが使えます。将来的にはインターネットを用いたオンライン予約にも対応が予定されています。
券売機で購入した高鐵の切符。大きさは普通の名刺サイズです。表側に列車番号や席番が印字されていますが、自動改札には裏側を上向きにして投入します。台湾では、出張旅費の精算等のために切符を持ち帰ることが一般的なため、高鐵の切符も乗車後に記念に持ち帰ることができます。
ホームに到着した700T型車両。日本の700系新幹線に瓜二つですが、色の塗り分け方でもイメージがだいぶ変わっています。デザインを優先して頬の部分を少しスマートにしたとの話も。ちなみに、台湾の鉄道では、日本でいう「列車別改札」に近い扱いがされており、発車15分前くらいにならないとホームには入れてもらえません。
行先表示はLED式で、写真では「0405號 對號車 (405号列車 指定席)」と表示されています。列車番号は100番台が「ひかり」タイプ (板橋、台中のみ停車)、400番台が「こだま」タイプ (各駅停車) となります。今回は南の終点の高雄 (左営) まで乗車しますが、敢えて各停タイプを選択します。
背面テーブルの車内案内。雰囲気は日本のものと似ています。列車は全て12両編成で、6号車が商務廂 (ビジネスクラス車)、そのほかが標準廂 (普通車) で、全車指定席です。
列車は台北駅を出発し、板橋、桃園と停まっていきます。台北から板橋までは地下区間、板橋から先は地上に出ますが、桃園駅では再び地下にもぐります。台北から板橋までは、たったの40元 (約160円) で指定席に乗車が可能で、「台湾に来たけど時間が無い」という場合も体験乗車程度は十分できます。とはいえ、板橋までは全区間地下なのでそれほど楽しくないかも知れません…。
高架駅の新竹。この先の駅は大体造りが同じで、2面2線のホームと、真ん中に上下の通過線があるという構造です。写真のように、高架駅はどこも壁が無い吹きさらしで、台風の多い台湾では強風時はちょっと辛いのでは、と思ったりします。途中駅での乗降はかなり多く、同じ各停タイプでも日本の「こだま」より利用率は良いようです。
沿線で最大の駅となる台中。2面4線のホームに上下の通過線まで完備されています。現在の暫定ダイヤでは台中には全列車停車となっていますが、将来的には台北-高雄間ノンストップの列車も設定される計画があるようで、通過線はその際に使用されると思われます。
台中駅から近くから車両基地へ伸びる分岐線。車両基地は台中付近のほか、先ほどの新竹と、台南、高雄 (左営) にもあります。このほか、将来的に駅が建設される予定の地点 (苗栗、彰化、雲林) には、停車用の側線のみがすでに建設されています。
高雄 (左営) 駅近くの車両基地。本線のすぐ脇にあり、留置されている車両がよく見えます。
列車は2時間あまりかけて、終点・高雄 (左営) 駅に到着。速達タイプの列車だと、所要時間は1時間半程度です。
左営駅は、3面6線の地上駅。高鐵左営駅は高雄の北に位置し、高雄駅とは別の場所にあります。将来的には高雄駅まで延長する計画もありますが、当面はここが南のターミナルとなります。
高鐵左営駅の駅構内。隣には台鐵 (在来線) の新左営駅が併設されています。ちなみに、台北と板橋以外では、高鐵と台鐵の同名駅は別々の場所にあります。左営の場合は、高鐵「左営」駅には台鐵「新左営」駅が併設され、台鐵「左営」駅は高雄寄りの隣の駅です。少々紛らわしいので、利用を考えている方は事前によく調べておいたほうが良いでしょう。