海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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イスタンブールの二つのターミナル駅

[2008年1月]

イスタンブールは、市域がボスポラス海峡に隔てられ、ヨーロッパ側地域とアジア側地域に分かれています。ボスポラス海峡の幅は関門海峡と同程度ですが、鉄道は結ばれておらず、両岸それぞれに一つずつ大きなターミナル駅があります。両岸を結ぶ海底鉄道トンネルの建設が、日本企業の手により進められています。

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ヨーロッパ側のターミナルは、シルケジ (Sirkeci) 駅。かつて「オリエント急行」の終着駅だったことでも知られています。


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シルケジ駅の近辺にはトラムも通っており、市内各地への交通は至便です。


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上に紹介した建物は旧駅舎で、現在はイベントホールやレストランとして使われています。現役の駅舎はこちらの簡素な建物。看板には「イスタンブール駅 (İstanbul Gar)」とだけ書かれています。


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シルケジ駅の切符売場。


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プラットホームは頭端式で、のりばは4本。そのうち、2~4番は近郊電車のりばとして使われており、長距離列車用は1番のりばだけの1本のみです。大都市イスタンブールの中央駅としては規模は小さめです。


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長距離列車用ホームは、かつての長編成に対応するためか、一本だけ長く伸びています。しかし、今は発着する列車は短編成ばかりです。


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長距離列車用ホームの先に、駅に隣接した車両基地が見えます。


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電車や機関車など、多様な車両が留置されています。


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国際寝台列車が長距離列車用ホームに到着。国際寝台列車と聞くだけで旅情をかき立てられますが、客車はわずかに4両のみ。


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4両の客車は一番最後尾からブカレスト発「ボスフォラス・エクスプレス (Bosfor Ekspresi)」のトルコ国鉄 (TCDD) のクシェット (簡易寝台車)、2両目がルーマニア国鉄 (CFR) の寝台車、3両目がベオグラード発「バルカン・エクスプレス (Balkan Ekspresi)」のセルビア国鉄 (ŽS) の寝台車、4両目が途中ソフィアから増結されたブルガリア国鉄 (BDZ) の寝台車、という全容。全車の国籍が見事にバラバラという国際色が豊かな編成です。


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旧駅舎にはレストランが入っており、その名も「オリエント・エクスプレス」。


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隣には小さいながらも「鉄道博物館」もあります。入場は無料で、写真撮影も自由。


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鉄道博物館の中には、「オリエント急行」にちなんだ小物や、近郊電車の運転席などが展示されています。


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現在も活躍している近郊電車E8000系の模型。かつてはこんな塗色だったようです。


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こちらは、アジア側のターミナル、ハイダルパシャ (Haydarpaşa) 駅。トルコ各地への長距離列車が数多く発着しているほか、近郊列車の利用客数も多く、シルケジより大規模な駅となっています。海から歩いて数十歩という、「本当の海沿い」に立地しており、駅舎のすぐ前に、ヨーロッパ側への渡し舟乗り場があります。


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ハイダルパシャ駅の切符売場。シルケジ駅と異なり、上の写真の古めかしい建物は今も駅舎として現役。


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近郊列車用ホームへの入口。近郊電車用ホームは1~4番のりばの4本で、入口に自動改札機が設置されています。


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ハイダルパシャの近郊電車。ヨーロッパ側と同じE14000系車両が使われています。旧型のE8000系はアジア側区間では使用されていません。


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こちらは長距離列車用ホーム。5~9番のりばの5本があり、首都アンカラ方面などへ長距離列車が多数発着しています。ホームでも多くの列車をみることができますが、全て同じ塗色なのが少々味気ない感じです。


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発車を待つハイダルパシャ22:00発アンカラ行き座席夜行列車「アナドル・エクスプレス (Anadolu Ekspresi)」(左側) と同22:30発アンカラ行き寝台列車「アンカラ・エクスプレス (Ankara Ekspresi)」(右側)。「アンカラ・エクスプレス」乗車時の様子は次の記事で紹介します。


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