海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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イスタンブールの国鉄近郊電車

[2008年1月]

最大都市イスタンブールと首都アンカラには、トルコ国鉄 (TCDD) が運行する近郊列車「バンリヨ (Banliyö)」があります。イスタンブールでは、ボスポラス海峡によって市域がヨーロッパ側地域とアジア側地域に隔てられているため、それぞれで独立した系統が運行されています。今回は、イスタンブールのヨーロッパ側近郊列車に乗ってみることにします。

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起点はここ、イスタンブールのシルケジ (Sirkeci) 駅。単にイスタンブール駅 (İstanbul Gar) とも呼ばれます。


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近郊列車に乗るには、窓口でジェトン (トークン) を購入し、ターンバー式の改札機を通って近郊列車用ホームに入ります。運賃は均一で1乗車あたり1.3リラ。メトロやトラムと同額ですが、ジェトンの形状が異なっているため、共通使用はできません。プリペイド式乗車券「アクビル」は共通で使用できます。


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シルケジ駅のプラットホームは3面4線で、そのうち近郊列車用ホームは、2~4番のりばの3つ。1番のりばは長距離列車用ホームとなっています。


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電車には2種類が使用されており、こちらは旧型タイプのE8000系電車 (カズルチェシュメ (Kazlıçeşme) 駅で撮影)。製造初年が1955年の古参車両で、フランスのアルストム社製。丸みを帯びた外観が特徴です。ヨーロッパ側の路線でのみ使用されています。


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こちらは比較的新しいほうのE14000系電車。新しいといっても製造初年は1979年で、トルコ地場のテュヴァサシュ (Tüvasaş) 社により製造されました。この車両はアジア側でも使用されています。まずはこちらの車両に乗車してみます。


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イスタンブールのヨーロッパ側近郊電車の路線は、シルケジ~ハルカル (Halkalı) 間、18駅、約30キロ。路線は1本のみで、途中での分岐はありません。線路はロングレール化が進んでいますが、車両の性能もあるのか、乗り心地は今一つです。余談ですが、トルコの近郊列車では自動ドアは走り始めてから閉まります。


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5つ目の駅、イェディクレ (Yedikule) で下車してみます。構内には引込線の跡がありますが、現在は使用されていないようです。この先線路は一旦、単線になります。


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イェディクレ駅の近郊列車時刻表。本数は1時間あたり2本~4本で、大都市の列車本数としてはいささか少なめですが、発車時刻を気にせずに利用できる程度の頻度は確保されています。


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イェディクレ駅の駅舎は一般の民家のような外観で、初めての人はここが駅だと分からないかもしれません。


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イェディクレと、隣のカズルチェシュメ駅の間には、ローマ・ビザンツ帝国時代の遺跡、テオドシウスの城壁があり、線路はこの城壁を一部切り開いて通されています。複線分を切り開くのをためらって、この一駅間だけ単線にした、という事情のようです。


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隣のカズルチェシュメ駅のプラットホーム。城壁の姿が間近に見えます。ここから先、線路は再び複線になります。


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帰りは旧型のE8000系に乗車。扉は閉まるときだけ自動の「半自動扉」ですが、停車中開けっ放しだと寒いので、乗降が終わるとドア付近の立ち客が発車前に手でドアを閉めてしまいます。手馴れたものです。


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