海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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イスタンブール市内交通

[2008年1月]

イスタンブールはアジアとヨーロッパを隔てるボスポラス海峡の両岸に広がる都市です。人口の3分の2を抱えるヨーロッパ側は、金角湾により更に二つに分けられ、南側が旧市街、北側が新市街と呼ばれています。旧市街、新市街、そしてアジア側、それぞれに様々な種類のメトロ・トラムが走っており、イスタンブールはさながら市内交通の見本市のようです。

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地下鉄 (メトロ) は、2000年に開業した新市街を走る1本の路線のみがあります。規格は標準軌・第三軌条方式。将来的には金角湾を越えて旧市街へも延伸される予定です。また、これとは別に旧市街には、都心部以外ほとんど地上を走るハフィフ・メトロ (ライトメトロ) と呼ばれるLRTの路線もあります。


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メトロに乗車するには、窓口でジェトン (トークン) を買います。数は少ないですが、自動販売機も一部導入されています。運賃は全線均一1.3リラ (約123円)。イスタンブールの市内交通は、メトロのほか、トラム、地下ケーブルカー、国鉄近郊電車、一部のバス、渡し舟等のほとんどの運賃が同じ1.3リラに統一されています。一部は共通のジェトンを使用できるので、市内散策にはジェトンのまとめ買いも便利。他にもアクビルというプリペイド式乗車券もあります。


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自動改札機。ジェトンを投入し、ターンバーを押して進みます。


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こちらは2006年に開業したばかりの地下ケーブルカー「フニキュレル (Füniküler)」。トルコ語でケーブルカーという意味で、英語のFunicularに相当します。新市街のメトロの終点タクシム (Taksim) 駅と、トラムの起点カバタシュ (Kabataş) 電停を頻繁運転で接続しています。前述の通り、運賃はメトロと同じく1乗車1.3リラ。


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フニキュレルのタクシム駅にあるケーブルカーの動力装置。地下ケーブルカーというのは、他地域ではなかなか見られないシステムです。


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こちらは、旧タイプの地下ケーブルカーの「テュネル (Tünel)」。一般には「世界一短い地下鉄」として知られていますが、他にも「ロンドンに次いで世界で二番目に古い地下鉄」という称号もあります。


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現在のところ、新市街と旧市街とを跨ぐ唯一の軌道系交通機関が、こちらのトラム (トラムヴァイ Tramvay)。この写真は両市街を結ぶガラタ橋の上でのものです。トラムの各電停には、有人のジェトン売場と自動改札機が設置されており、乗車システムは普通の電車に近い感覚です。車両は、ほとんど全てが写真の最新式超低床タイプに統一されており、乗り心地は非常に良好。ただし、ほんの一部だけ前世代型も走ってます。


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ちなみに、ガラタ橋は可動橋。現在は橋が開閉することはないようですが、架線やレールには、開閉に対応した構造になっています。


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最後は、新市街を走る旧型市電、通称「ノスタルジック・トラム」。かつて市内を縦横無尽に走っていた車両を保存運転しているようです。アジア側にも同じような車両が走っています。運賃は同じく1.3リラですが、切符はジェトンではなく紙製。乗車時に車内で切符箱に投入します。


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2両編成の2両目は動力を持たない付随車で、終点では「機回し」を行います。「機回し」が見られるのは、南端のテュネル電停のみで、北端ではループ線を使って方向転換をします。この路線は全線単線で、途中では行き違いも行われるなど、路線長が短いながらも様々なお楽しみ要素盛りだくさんの、おすすめの路線です。


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