海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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バンコク ~ チェンマイ:夜行急行でタイ北部の観光都市へ

[2023年8月]

バンコクから夜行急行列車に乗って、タイ北部の観光都市、チェンマイ (Chiang Mai) へ向かいます。

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出発は、バンコクの新ターミナルである、アピワット中央駅 (Aphiwat Central Terminal)。以前のターミナル駅であったフアランポーン (Hua Lamphong) と比べると味気なくはなりましたが、コンコースが広くて待客用の椅子も多く、その上冷房完備で快適性は格段に上がりました。スマホ充電用の無料のコンセントもあります。夜行列車の出発時刻に合わせて、売店も夜遅くまで開いています。


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今回乗車するのは、22:30発の急行51列車。チェンマイ行き夜行列車は毎日4本運転されており、この列車の他には、発車時刻が早い方から14:15発の快速109列車、中国製新型客車で運行される18:40発の特急9列車、在来型客車の20:45発特急13列車があります。今回乗車する急行51列車は、チェンマイ行きの最終列車ということになります。


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アピワット駅では列車別改札が行われており、ホームに入れるのは発車20分前からです。入場から発車までのわずかな時間で、車両を見て回ります。牽引機は最新型の中国製QSY型 (5200形)。アピワット駅構内での排ガス滞留抑制のため、本駅を発着する列車には最新の排ガス規制に適合する本形式が優先的に充当されています。


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機関車次位は荷物車。


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その次も荷物車。


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こちらは三等座席車。国鉄10系似のBTC1000形です。


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二等座席車BSC形も連結。一方、残念ながら食堂車は連結されていません。食堂車はコロナ禍の時期に営業休止となり、その後もアピワット駅構内での排ガス滞留の問題から、車上調理式の食堂車は基本的に連結されなくなりました (中国製新型客車だけは食堂車も電子レンジ調理なので営業継続中)。車内で食事を楽しみたい方は、乗車前に駅待合室の売店で弁当などを購入した方が良さそうです。


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寝台車は編成後端に冷房付き二等寝台車ANS1000形を2両連結。日本製の初期型と、それをベースとして後に韓国で製造された中期型の各1両が連結されています。今回乗車するのは最後尾に連結された韓国製中期型の方です。


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車内は線路方向に寝台が並ぶ、日本で呼ぶところのプルマン式寝台です。通路には上段への梯子を兼ねた荷物棚があります。一部車両では、最近の要望に応じてか、スマホ充電も可能なコンセントが座席ひじ掛け通路側に設けられていますが、この車両は未設置のようです。またこの列車は観光都市行きながら、利用客は地元のタイ人がほとんどの様子。外国人観光客は前に発車する特急列車を選択する人が多いのでしょう。


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乗車したのは下段寝台。下段は窓も独占できるので、就寝時間帯でも好きな時にカーテンを開けたり閉めたり、といったことも自由にできます。一方の上段は窓自体がありません。発車時刻もやや遅めのため、早めに寝てしまうことにします。


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やはり線路方向の寝台は、揺れを感じることも少なく極めて快適。ゆっくりと眠った後、目が覚めると朝の6時頃です。


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途中駅のウッタラディット (Uttaradit) に停車。時刻表を確認すると、見事に定刻運行のようです。


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地元客が多いだけあって、終点のチェンマイに観光にという客は少数派。途中駅でほとんどが下車していき、私の直上の寝台の方も既に下車済みです。空いた寝台は車掌が手早く座席に転換していきます。使用中の寝台は、何も言わなければそのままにしておいてもらえますし、車掌に頼んで早めに座席に変えてもらうことも可能です。


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私も昼過ぎのチェンマイ到着間際まで寝台のままでゴロゴロしてましたが、到着時には全て座席状態にしておく必要があるようで、終点到着直前に座席に変換されます。


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バンコクから約14時間、終点のチェンマイにはほぼ定刻に到着です。やや長時間の乗車ながら、非常に快適な旅でした。


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チェンマイはタイ国鉄の最北端の駅。ホームも頭端式です。


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チェンマイ駅の駅舎。駅自体は街の中心部から若干離れた場所にあり、駅周辺には目ぼしい施設は特にありません。駅前にタクシーやトゥクトゥクが待機しているので、中心部への移動は容易ですが、最近は地元民も観光客も皆さん配車アプリGrabなどを使っているようです。


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駅舎内部は若干こぢんまり。駅舎の内外に数軒の食堂もあります。


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観光地の駅らしく、手荷物預かりもあります。


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ホームに戻って、もう少し列車を眺めます。こちらは、バンコクから到着した特急9/10列車の中国製新型客車。


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対してこちらは在来型客車で組成された特急13/14列車の車両。


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特急13/14列車には、ほぼ全廃状態となっている在来形食堂車も連結されています。上述の通り、アピワット駅での排ガス滞留の問題で車上調理型の食堂車は原則廃止となっているので、この列車は例外的。調理はどのように行われているのか不明です。


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ナコーンサワン (Nakhon Sawan) 発の地方407列車が到着。気動車の3両編成です。


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チェンマイまで乗ってきた急行51列車の車両は、折り返し15:30発の急行52列車となります。この後、17:00発の特急14列車、18:00発の特急10列車と、往路とは逆の順序でそれぞれ発車していきます。なおバンコク発夜行快速109列車の姉妹列車となる、チェンマイ発快速102列車は6:30発の昼行列車として運行されます。


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