海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ウボンラーチャターニー ~ バンコク:昼行快速列車で行く長距離旅

[2023年8月]

タイ最東端の終着駅、ウボンラーチャターニー (Ubon Ratchathani) から昼行快速列車に乗り、首都バンコクに向かいます。

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朝のウボンラーチャターニー駅。駅前には蒸気機関車が展示されています。


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ホームには、バンコクから到着したばかりの夜行快速139列車の車両が停まったままになってます。入換用機関車を連結しているので、留置線に引き上げるつもりのようです。


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別のホームには、こちらもバンコクから到着した特急23列車が停車中。中国製の新型客車が充当されています。


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今回乗車する、バンコク行き快速136列車。最後尾に二等車BSC形と二等・三等合造車BSC1000形が各1両連結されています。


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編成中で多数を占めるのは、お馴染みの国鉄10系似のBTC1000形客車。


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牽引機は中国製の最新鋭、QSY型 (5200形)。アピワット中央駅 (Aphiwat Central Terminal) への乗り入れのため、最新の排ガス規制に適合した本形式が充当されてます。


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今回は二等車に乗車。乗車当日に駅で切符を購入したところ、指定されたのは二等・三等合造車の最前列通路側というイマイチな席。座席は製造時からは更新されているように見受けられますが、どことなく安っぽい印象です。背面テーブルが壊れて収納できなくなっていたり、座席間のひじ掛けが水平に固定できないあたりもご愛敬。一段下降の窓がところどころ開かなくなっていて、車掌が行先表示板 (サボ) でガンガン叩いて開けて回っており、ガラスが割れないかハラハラします。


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自席がイマイチだったので、二等車なんてそんなに乗る人いないのでは、と高を括って、しばらく他の空席で過ごすことにします。窓から流れ込む朝の空気が快適です。


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列車は途中駅でこまめに客を拾っていきます。あまり客が来ないのではと思ってた二等車もだんだん混んできて、私もおとなしく自席に戻ります。


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車内には物売りも乗ってきます。売り物は飲み物や、焼き鳥 (ガイヤーン) 等々。隣席に座る青年も乗車前に駅で買ったと思しきガイヤーンを食べてます。やや強面に見える隣席の青年、私が暑そうにしていると、何も言わずに汗拭き用にウェットティッシュを差し出してくれたり、言葉はわからずとも結構親切です。


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自分のハズレ席では車窓がよく見えず、窓からの風もあまり当たらないので、しばしデッキで気分転換。開け放されたドアから見る景色も良いですが、やはり近づきすぎると若干怖いです。


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ウボンラーチャターニーを出発して約5時間。ノーンカーイ (Nong Khai) 方面の路線が分岐するタノンチラ分岐駅 (Thanon Chira Junction) に到着。ここまでほぼ定刻です。


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ほどなく、次駅のナコーンラーチャシーマー (Nakhon Ratchasima) 駅に到着。タイ中部の中心都市で、バンコクまでの行程においてほぼ中間地点に当たります。このまま乗り通せば夜までにバンコクに着きますが、私は根性がないので、旅の休息を兼ねてこの街で一晩泊まることにします。隣席の青年にも会釈して列車を降ります。


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ナコーンラーチャシーマー駅の駅舎外観。ここまでの乗車がハズレ席だったため、翌日乗車する列車では窓側席に座ろうと思い、早速切符を購入しようとしたところ、乗車前日にも関わらず二等車は既に満席、三等車も通路側が3席しか空いてないとのこと。二等車まで埋まることはないだろうと、完全に油断してました。席にありつけただけでも良しですが。


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一晩経って、再びナコーンラーチャシーマー駅。この街にほぼ24時間滞在し、再び同じ列車でバンコクを目指します。満席の三等車、通路側席で約5時間の旅、若干気が重い状況です。


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ホームで列車の到着を待ちます。


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ウボンラーチャターニー行き快速135列車と、バンコク行きの快速136列車が、行程のほぼ中間地点となるこの駅で行き違います。


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まずは対向列車のウボンラーチャターニー行き快速135列車が先に到着。ほぼ定刻です。


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この駅で給水も行われます。


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続いてバンコク行きの快速136列車も到着。この日は15分程遅れています。


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タイ中部の中心都市だけあり、多くの乗客がここで入れ替わります。


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私が指定された席は通路側だったのですが、既に先客がおり、空いている隣の窓側席に座りなさいと言われます。その先客が席番を勘違いしたのか、あるいは単に通路側に座りたかったのか分かりませんが、いずれにしろ幸運と思って窓側に座ります。列車は前日時点でほぼ満席だったこともあり、車内は通路にも立ち客が溢れる超満員です。


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後ろ向きの席なので風はあまり当たらないですが、それでもやはり開いた窓から見る景色は格別。


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ところどころ、建設中の高速鉄道の高架橋が見えます。最初の開業区間となるバンコク~ナコーンラーチャシーマー間は2027年完成とされてますが、予定通り開業できるのか、開業後の在来線はどうなるのか、色々気になるところです。


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進行方向左側に大きな湖が見えてきました。ラムタコーンダム (Lam Takhong Dam) のダム湖です。タイ国鉄では現在、主要な幹線で複線化工事が進められていますが、この近辺は特に工事が進んでいる様子で、ところどころ途中駅のホームも改修され高床化されているのを見かけます。


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途中駅のサラブリー (Saraburi) に到着。バンコクまではあと2時間ほど、更に乗客が増えてきます。この後停車の観光地アユタヤ (Ayutthaya) からは大勢の外国人観光客も乗り込んできて、車内はまさにすし詰め状態。トイレに行くのも無理そうという状況になります。


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バンコク近傍の駅で余裕時分が多めに取られていたためか、途中では遅れていたこの列車も、終点のバンコク・アピワット中央駅にはほぼ定刻に到着。この列車にまた乗る機会があれば、今度は良い席を事前予約しておきたいところです。


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