海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ナコーンシータマラート ~ バンコク : 南本線の夜行快速列車

[2012年8月]

タイ南部の都市、ナコーンシータマラート (Nakhon Si Thammarat) から、夜行の快速列車に乗って、首都バンコクへ向かいます。

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乗車する快速174列車は、バンコクまでの約800 kmを、16時間以上かけて走ります。出発は真昼間の午後1時。きつい陽射しがホームにも照り付けます。


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列車は、AHK形ディーゼル機関車を先頭とした客車12両の編成。


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各車両を見ていきます。先頭の2両の客車は、荷物車と乗務員居住区を兼ねた三等客車。編成中のほとんどの客車が国鉄10系似の軽量客車ですが、ちらほらと旧型客車も混じっています。写真は荷物車扱いの旧型三等客車BTC477。


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わずか1両だけ連結されている、冷房付き二等寝台のANS1000形客車。東急車輛製。この列車の中では最上級の車両です。編成中で唯一のステンレス製車体で、存在感も際立っています。


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続いては、非冷房の二等寝台車が2両。暑いタイで冷房なしの寝台車というのも少々辛そうです。


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タイではちょっと珍しい存在の、冷房付き三等車。外見的には非冷房車と見分けがつきにくいですが、床下に冷房用のディーゼル発電機が搭載されているため、騒々しい音ですぐに区別が付きます。1両のみの連結。


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古めかしい外観の非冷房二等客車。冷房付き三等車と比べてどちらが快適でしょうか。


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快速列車といえども、食堂車も連結されています。特急や急行でも気動車で運行されている列車には寝台も食堂も無いので、こういう点でもやはり客車列車を選びたいところです。


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最後尾には非冷房三等座席車のBTC1000形。4両の連結。


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冷房付き二等寝台車に乗車します。日本の開放式A寝台に似た二段式寝台で、梯子を兼ねた荷物棚が通路上に千鳥式に配置されています。「A寝台に似ている」ということで少々得した気分にもなりますが、あくまで二等のため運賃もリーズナブル。床下にある冷房電源用のディーゼル発電機の音が少々うるさいのが難点です。


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隣の非冷房二等寝台車の車内。見た目は冷房付き寝台車とほとんど同じですが、ずっと窓が開け放たれているためか、車内はどことなく埃っぽい感じがします。


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冷房付き三等車。やはり涼しい車内は快適ですが、料金差がネックなのか、あまり繁盛していないようです。非冷房二等車の利用率も似たような利用率です。


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昼過ぎにナコーンシータマラートを発車した列車は、途中駅で乗客を拾いつつ北上し、夕刻にはスラタニー (Surat Thani) に到着。サムイ島観光の拠点となる街で、駅には大勢の外国人旅行客の姿も目立ちます。彼らはこの列車に大勢乗り込んでくるのかと思いきや、乗ってきたのはほとんど地元客。この列車は寝台車の数が少ないため、外国人旅行客は2時間後の急行列車の方を選ぶのかもしれません。


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日暮れになると、外も徐々に涼しくなってきます。冷房が少々きついというのもあって、デッキに出てみると車内に入る風が心地よく、実は非冷房車のほうが快適なのかも、とすら思えてきます。実際に非冷房の寝台で過ごした訳ではないので、あまり適当なことは言えませんが。


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暗くなってくると、車掌が寝台のセットにやってきます。まだ寝るには早いと思えば、融通を利かせて後回しにもしてくれます。またこの列車には結構な数の物売りがやってきてくれるので、食料調達に困るということがありません。


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早めにセットしてもらった寝台で早めに寝ますが、この列車のバンコク到着は5時台で、翌朝も結構な早起き。バンコク到着ギリギリまで寝ていようと思っていたら、早朝にもかかわらず、バンコク到着前に寝台は律儀に解体されてしまいます。降車客が身支度を整えられるような心配りなのでしょうか。単なる作業の都合かもしれませんが。


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列車は40分ほど遅れて、終点バンコク・フアランポーン (Hua Lamphong) 駅に到着。遅れたといっても時刻は6時前、あたりはまだ薄暗さが残ります。地下鉄 (MRT) もまだ動いていない早朝の到着で、身の置き場に困るところ。とりあえず近くのベンチに腰を降ろし、寝ぼけた頭で予定を考えます。


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