海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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フアランポーン ~ トンブリー : 遠回りのターミナル駅めぐり

[2011年10月]

バンコクのターミナル駅には、タイ各地へ向かう多くの列車が発着する、バンコク駅 (フアランポーン Hua Lamphong 駅) の他、南行きの一部列車が発着する、トンブリー (Thon Buri) という駅もあります。トンブリー駅には現在のところ、BTS (スカイトレイン) やMRT (地下鉄) の接続が無く、この駅へ向かうには、通常はバスやタクシー等を利用します。今回はフアランポーンからトンブリーまで、国鉄線を使って大回りで向かってみます。

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まず乗車するのは、タイ南部のヤラー (Yala) へ向かう快速169列車。午後3時頃のバンコク駅では、マレーシアのバターワース (Butterworth) 行き国際特急35列車、スンガイコーロク (Sungai kolok) 行き急行37列車、そしてこの快速169列車と、南部行きの列車が立て続けに発車します。


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牽引機は日立製のHID型ディーゼル機関車。高性能が評価されたものの、高い車両価格が嫌われて、少数生産に留まった形式です。


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乗車する客車は、国鉄10系似のBTC1000形。南部へ向かう列車らしく、イスラムの衣装をまとった女性客の姿が多く見られます。


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今回乗車したのは、BTC1000形の中期型であるBTC1132。日本製の初期型をベースとして、タイ国内へ生産が移管されたグループです。座席は初期型と同じく2-3列配置。通常、BTC1000型は一段下降式の窓が採用されていますが、このBTC1132では、二段上昇式 (上段はガラスではなく金属製シャッター) となっています。中期型の特徴という訳でもないようで、車両ごとに微妙な差異あるようです。


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約15分遅れて発車した列車は、雨の中を北に向かって走ります。


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バーンスー (Bang Sue) 分岐駅を過ぎ、ここで北本線 (写真奥の地平の線路) と別れて南本線に入ります。


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脇を併走する高架橋は、建設中のタイ国鉄 (SRT) のライトレッド・ラインのもの。スカイトレイン (BTS) や地下鉄 (MRT) とともに、バンコク市内の都市鉄道ネットワークの一翼を担う近代路線として整備が進められているもので、第一弾としてバーンスーからタリンチャン (Taling Chan) までの区間が、2014年に暫定開業する予定となっています。


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ラーマ6世橋を渡り、チャオプラヤー川を越えます。


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並行するライトレッドラインは地平に降り、そのまま南本線と併走を続けます。


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トンブリーへ向かう支線が分岐する、タリンチャン分岐駅に到着。ここで一旦、列車を降ります。


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ライトレッド・ラインの工事の影響のため、この駅は現在は仮設設備での営業です。


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建設中のライトレッド・ラインのタリンチャン駅。上述の通り、暫定開業ではここが終点となる予定です。


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ほどなく、トンブリー駅からサラヤ (Salaya) 駅へ向かう区間列車が到着。駅員が通票を受け取っています。


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怠惰な時間が流れるタリンチャン分岐駅の待合所。仮設の駅事務室でトンブリーまでの切符を購入しようしますが、当初乗車を予定していたナムトック発258列車が、駅員曰く「その列車はこない」とのこと。理由はよく分かりませんが、仕方なく次の920列車に乗ることにします。


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920列車は、先ほどの区間列車がサラヤで折り返して戻ってきただけです。ホームの随分端のほうで止まるので、急いで列車を追いかけます。


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しかし、列車は一旦副本線に退避し、対向列車と行き違うため、しばらく停車するようです。走って追いかけた意味はあまりありませんでした。


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当初予定していた列車に乗れなかったばかりか、実際に乗車した後続列車も遅れていたため、結局トンブリーに着いたのは、すっかり日が沈んでしまった後。景色を楽しむでもなく、約15分の支線の旅は終了です。


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簡素な構造の現在のトンブリー駅。大きな駅舎を持つ旧駅は、再開発のために現在は閉鎖されています。まだ明るいうちに到着できたなら、歩いて旧駅を巡り、船に乗ってチャオプラヤー川対岸に渡って帰っても楽しかったかもしれません。


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