海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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タイ国鉄メークローン線・バンコク ~ マハーチャイの旅

[2007年8月]

メークローン (Maeklong) 線は、バンコク市南西のウォンウィアンヤイ (Wongwian Yai) 駅から伸びる、タイ国鉄 (SRT) 運営のローカル線です。途中のマハーチャイ (Mahachai) とバーンレーム (Ban Laem) との間が川によって分断されており、渡し舟を利用する必要があります。列車は1時間に1,2本運行され、タイ国内では比較的列車本数が多い路線と言えます。沿線に有名な観光地があるわけでもありませんが、ローカル線の雰囲気が人気を呼んでいるのか、観光客もちらほら訪れるようです。今回は時間の都合上、途中のマハーチャイまでを往復します。

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メークローン線の基点となるウォンウィアンヤイ駅には、今のところ市内中心部からの鉄道による接続はありません。2008年にスカイトレイン (BTS) がウォンウィアンヤイまで延伸される予定ですが、現在の最寄駅はBTSシーロム線の終点、サパーン・タークシン (Saphan Taksin) 駅。ここからチャオプラヤ川を渡し船で渡り、タクシーに乗って駅に向かいます。


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ウォンウィアンヤイ駅は市街地に埋もれた小駅です。通りから少し入った場所にあり、かなり分かりにくいですが、今回はタクシーを降りるときに運転手が親切に説明してくれたので、難なく到着することができました。ホームには露店がたくさん並んでいます。


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ウォンウィアンヤイ止まりの列車が到着。折返しマハーチャイ行きとなります。路線が短いためか、ほぼダイヤ通りに定刻運行されています。


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車両は日本製の冷房無し気動車4両編成。この車両は日本車両製ですが、他にも日立製や川崎製などがあり、ほとんどが1985年頃の製造です。車内はプラスチック製のクロスシート。乗降扉は停車中も走行中も常に全開で、駅ではプラットホームの反対側からも乗客が乗降します。終点マハーチャイまで1時間弱の旅です。


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駅の窓口で購入したメークローン線の切符。マハーチャイまでの運賃は10バーツ (約35円)。ローカル線にしては立派すぎる切符です。長距離列車に使用するものと同じ様式が使われており、列車の発車時刻なども印字されています。無人駅から乗るときは車内で切符を買います。車掌は頻繁に車内を巡回し、検札も行います。


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列車はほどなく次の駅に到着。一駅で早速降りてゆく客もいるようです。この駅にも露店がたくさん並んでいます。


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平日の夕刻に乗車したためか、列車はほぼ満員状態。途中駅でも多数の乗客が乗降します。沿線には学校もあり、通学にも利用されているようです。


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列車の行き違いが可能な交換駅も数箇所あります。車両は全て同じ種類のものが使われていますが、一部列車には冷房車が連結されています。冷房つき列車は時刻表にその旨明記されていますが、4両編成のうち冷房車は1両だけ。冷房車は運賃が異なり、ウォンウィアンヤイ~マハーチャイ間は25バーツ (85円) と倍以上の値段です。


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マハーチャイ駅の近くには数両の廃車両が放置されています。中には車内にハンモックを吊って寝ている人も。


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列車は終点のマハーチャイに到着。マハーチャイ駅は市場の中にあり、列車は市場のアーケード (?) を貫くかたちで停車します。


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マハーチャイ駅には小さな車両基地もあります。線路内に入っても咎められることもなく、至近に寄って車両を見学することもできたります。


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マハーチャイ駅の駅舎。小ぶりながらも立派な駅舎です。


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駅周辺はかなり大きな市場が形成されています。バンコクとは異なり観光客の姿は少なく、タイの日常風景に触れることができます。マハーチャイ駅はこの写真正面の道を少し進んだところにあり、バーンレームへ行く渡し舟は写真向かって右側にある船着場から出ています。


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渡し舟の利用客はかなり多いです。バーンレームから先の区間では列車が一日4往復しかなく、マハーチャイまでとはまた異なった閑散路線の雰囲気を期待できそうですが、今回の旅は残念ながらここまで。ウォンウィアンヤイ駅に戻ります。

※5年後にバーンレーム~メークローン間に乗車した際の記事はこちら


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