海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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サンクトペテルブルク ~ モスクワ : 特急「アヴローラ」の旅

[2006年11月]

サンクトペテルブルクからモスクワまで列車で移動。昼行の客車特急「アヴローラ (Avrora) 号」に乗車します。サンクトペテルブルク ~ モスクワ間の列車としては、他に寝台特急「赤い矢号」や、高速電車「ER200」なども有名です。

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スタートはここサンクトペテルブルクのモスクワ駅。


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駅舎近影。「モスクワ駅」をロシア語で言うと「モスコフスキー・ヴァグザール (Moskovsky vokzal)」となります。


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コンコースに展示されている、スマートな電車のモックアップ。近々サンクトペテルブルク ~ モスクワ間に導入される新型高速電車「ヴェラロRUS」です。見て分かるように、ドイツ版新幹線「ICE3」の兄弟版となる、ドイツ・シーメンス社製の車両です。


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車内も公開中。近代的な洗練された内装です。


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長距離列車のホームには改札口が無く、切符を持ずともホームに自由に出入りすることができます。ホーム形状はヨーロッパ風の頭端式。架線柱でホーム上屋を支えるという珍しい構造が採用されています。「アヴローラ号」はすでにホームにで待機中 (右側の列車)。入換用のディーゼル機関車を先頭にして推進運転で入線しています。ホームの最奥部には主役である重連の電気機関車が控えています。


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これから乗る客車。各車の側面には列車名が大書きしてあり、「アヴローラ号」専用車両となっています。


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食堂車も連結されています。


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発車待ちの間に、隣のホームに近郊電車 (エレクトリーチカ) が入線。近郊列車用のホームには自動改札機があり、切符を持たない人は入ることができません。


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「アヴローラ号」二等客車の車内の様子。シートは通路を挟んで二列ずつで、進行方向向かって左側が前向き、右側が後ろ向きで固定されています。


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シート自体や前との間隔もゆったりしており、二等にしては少々贅沢な感じです。背面テーブルが無いのが少々不便。


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列車はいざ出発。駅を出発してすぐに、進行方向左側に車両基地が見えます。車両基地は、サンクトペテルブルクを出発してしばらくは断続的に現れます。最初は客車基地。


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続いては機関車基地。手前の青い機関車は、この「アヴローラ号」の牽引機と同型のChS200形電気機関車です。


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近郊電車の駅を通過。後ろにはまた客車基地があります。


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今度は貨物基地。


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再び駅を通過。「アヴローラ号」は速度を上げ、軽快に走っていきます。


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今度は電車基地です。


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車両基地が途切れたころ、列車はサンクトペテルブルク近郊を抜け、ロシアの原野の中に入って行きます。サンクトペテルブルクは沼地を開拓して建設された都市とのことで、車窓にも湿地帯が続きます。ずっと無人地帯と言うわけでもなく、時折小さな集落とその駅が現れます。最高速度は160 km/h。軌道状態も良く、広軌という理由もあるでしょうが、揺れも少なく快適な乗り心地です。昔の新幹線で聞いたような、ロングレールのジョイント音も聞こえてきます。


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車窓が単調になると多少退屈してきます。車内を少しだけ探検。この写真はデッキ部分です。出入り扉は開き戸の手動扉。


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これは車両の連結部分。ここも手動の開き戸です。


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車両間は幌で結ばれておらず、足元に渡し板、横方向はゴム製クッションのみで外界と仕切られています。足元の隙間からはレールが見えます。この時期はまだ良いですが、ロシアの厳しい冬では、すきま風だけでも極寒となりそうです。


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モスクワまでのちょうど中間地点くらいで、やっと最初の停車駅、ボロゴエ (Bologoye) に到着。ここまで実に2時間45分ノンストップで走ってきました。この時点でだいぶ日も暮れ、ここから先は闇に包まれた旅となります。この列車の停車駅は二つのみで、この駅の後にトヴェリ (Tver) という駅にも停車します。


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サンクトペテルブルクを出発して実に5時間半、終点モスクワには定刻に到着。モスクワ側のターミナル駅は、レニングラード駅 (レニングラーツキー・ヴァグザール Leningradsky vokzal) です。サンクトペテルブルクのモスクワ駅と同じく、ホーム上屋は架線中に支えられ、ホーム上に支柱がありません。両駅が「姉妹駅」とも称される所以の一つかもしれません。


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