サンクトペテルブルクの鉄道博物館
[2006年11月]
現地でもらった地図で見つけた「鉄道博物館」の文字。折角なので実際に行ってみることにしました。
場所は市の中心部から南のほう。地下鉄ではフルンゼンスカヤ (Frunzenskaya) 駅かバルチースカヤ (Baltiyskaya) 駅から歩いていけます。通りから奥まった少々分かりにくいところにあります。ロシア語が全くわからず、入口に書いてある料金表も解読不能。窓口のおばあちゃんと身振り手振りで格闘し、やっとの思いで入場券を買って中に入ります。
現在サンクトペテルブルクには5つのターミナル駅がありますが、2001年まではこの場所にも「ワルシャワ駅 (ヴァルシャフスキー・ヴァグザール Varshavski vokzal)」が存在しました。駅の廃止後、近郊のシュシャリ村にあった博物館がこの場所に移転し、現在に至っています。屋外に車両が並べられているこの場所は、実は別館の「車両展示場」で、少し離れた別の場所には各種展示物がある「本館」があります。「車両展示場」の展示車両数は74種。圧巻の規模です。
見て回った車両を少しだけ紹介。こちらは重連タイプの電気機関車、VL8型。一応、各車両に解説の看板が設置されてますが、英語が併記されているものは一部で、残りはロシア語のみです。
こちらは重連タイプのディーゼル機関車、TE3型。
客車です。詳細不明ですが。
謎な形状の単行の気動車。愛嬌があります。
半室が機関室となった気動車。ハンガリー製のD1と呼ばれる車両で、モルドバなどでまだ一部が現役として使われています。
古めかしい外観の電車。
顔を並べたソ連製機関車群。SLの先頭部にレーニンとスターリンの顔をあしらったエンブレムが付いています。
珍しい軍用車両も展示されています。こちらは移動式弾道ミサイル発射台です。3両ワンセットで、ミサイルは真ん中の車両に搭載。写真奥の車両にはアンテナのようなものがあり、司令室等が入っているようです。
移動式弾道ミサイル発射台の説明書き。もちろん何が書いてあるかさっぱりですが、いつの日か解読できる時も来るであろうとの期待を込めて写真だけ撮ってきましたが…。
こちらは移動式大砲車。説明書き (こちらは英語併記) によれば、軍艦から取り外した大砲を列車砲に仕立てたもののようで、1991年までは稼動可能な状態にあったようです。
前述のように、この博物館は駅の跡地を利用して設置されたものですが、駅につながる線路や旧駅構内の一部は、留置線として今もまだ使われています。博物館とは小さな柵でのみ区切られ、その向こう側には現役の車両たちを見ることができます。
訪問時が平日の昼間だったこともあり、場内は閑散としています。静かに見れるのは良いのですが、あまり客が来ずに閉鎖ということにならないよう祈りたいところ。サンクトペテルブルクでは曇りや雨の日が多く、このように快晴になるのは珍しいとのこと。好天の中、この博物館を偶然地図で見つけ、分かりにくい場所にもかかわらず運良くたどり着くことができ、本当に幸運続きの訪問でした。