海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ブダペスト ~ ワルシャワ : 国際夜行列車「ユーロナイト」

[2016年5月]

ハンガリーの首都ブダペストから、ポーランドの首都ワルシャワまで、国際夜行列車「ユーロナイト」に乗車します。

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プラットホームにかかる巨大なドーム屋根が印象的なブダペスト東駅 (ブダペシュト・ケレティ・パーヤウドヴァル Budapest-Keleti pályaudvar)。乗車するEN 476列車「メトロポール (Metropol) 号」は、発車の40分ほど前には既に入線しています。


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駅の案内板には、20:05発のユーロナイトとしてポーランドのクラクフ (Kraków) とワルシャワ行き、ドイツのベルリン行き、チェコのプラハ行きの3列車が表示されています。これらはブダペスト出発時は一本の列車ですが、途中駅でそれぞれの目的地へ向けて客車が切り離されます。ベルリン行きの列車が、終点まで「メトロポール号」として運行される「基本編成」で、それ以外は分割時に列車名が変わります。


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牽引機はチェコのシュコダ (Škoda) 製最新鋭機380型機関車。


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乗車するワルシャワ行き寝台車の行き先表示。チェコのブジェツラフ (Břeclav) までは「メトロポール号」として運転し、その先はウィーン ~ ワルシャワ間を運行するEN 406列車「ショパン (Chopin) 号」へ繋ぎ変えられます。逆に「ショパン号」から「メトロポール号」に繋ぎ換えられウィーンからベルリンに向かう客車もあります。多くの夜行列車同士でこのような繋ぎ変えが行われており、様々な都市間での直通需要に対応しています。


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連結されている客車を見てみます。寝台車、クシェット (簡易寝台) 車、座席車などバラエティに富んだ編成です。食堂車はありません。こちらの車両はポーランドの長距離列車運行会社「PKPインターシティ」が保有するクシェット車。


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同じくPKPインターシティの二等座席車。寝台車と座席車とで配色が異なっています。


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こちらの車両はロゴが入っていませんが、同じくPKPインターシティ保有の寝台車。最近新造された車両のようで、他の車両とは塗色が異なっています。今回はこの車両に乗車します。


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ハンガリー鉄道 (MÁV-Start) の二等座席車。ハンガリー始発の列車ながら、ハンガリー鉄道の存在感はかなり控えめです。


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スロバキアの車両もあります。ちょっと古めの客車です。


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チェコ鉄道 (ČD) の車両も数両連結されています。


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プラハ行き車両の行き先表示。プラハはベルリンまでの経路上にありますが、「メトロポール号」は朝の4時台にプラハに到着してしまうため、乗客の便宜を図るため一部客車を途中のパルドゥビツェ (Pardubice) で切り離し、時間調整しながらプラハに2時間ほど遅れて到着するというダイヤが組まれています。プラハ行き客車は切り離し後に「ヤン・カシュパル (Jan Kašpar) 号」という名前に変わり、列車種別もユーロナイトから快速列車 (リフリーク Rychlík) になります。


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寝台車に乗り込みます。定員3人の個室の1人利用で、上段と中段のベッドは収納されています。個室の1人利用は一等寝台の扱いとなります (2人、3人利用時は二等扱い)。室内には洗面台やクローゼット、簡単な朝食 (お菓子、飲み物) とタオル・石鹸セットなどが備えられています。シャワーとトイレが備えられた「デラックス寝台」もありますが、この部屋はシャワー無しの普通の個室。車端部に一箇所だけある共用のシャワーが利用可能です。


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空に少し明るさの残る中、列車は出発します。時刻はまだ8時過ぎですが、この列車には食堂車もなく、特にすることもないので、ベッドに寝転がって過ごします。


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気が付けば、すでに列車はハンガリーとスロバキアを過ぎ、チェコ国内最後の駅、ボフミーン (Bohumín) に停車中。乗車している車両は、すでにブジェツラフで「メトロポール号」から「ショパン号」に繋ぎ換えられています。更にこの駅ではクラクフ (Kraków) 行き客車がEN 403列車「シレジア (Silesia) 号」として切り離され、またプラハ発コシツェ (Košice) 行きEN 445列車「スロバキア (Slovakia) 号」の一部客車が「ショパン号」へ連結されます。


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夜が明けると、あたり一面は濃い朝靄に包まれています。列車はポーランドの高速線「中央幹線 (CMK)」を軽快に駆け抜けていきます。


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朝の7時前、定刻より5分ほど遅れて、ワルシャワ中央駅 (ヴァルシャヴァ・ツェントラルナ Warszawa Centralna) の地下ホームに到着。牽引機はシーメンス製ユーロスプリンター (EuroSprinter) シリーズのEU44型に替わっています。


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列車はここで10分余り停車した後、次のワルシャワ東駅 (ヴァルシャヴァ・フスホドニャ Warszawa Wschodnia) まで行きますが、ほとんどの乗客がワルシャワの中心駅であるこの駅で下車します。私もここで列車を降りることにします。


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列車の編成中には、ウィーンから来たオーストリア鉄道 (ÖBB) の客車も。


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ウィーン発ワルシャワ行きが「"本来の"ショパン号」ですが、途中駅で分割と併合を繰り返した結果、ワルシャワ到着時点ではブダペスト発とプラハ発の客車が編成の半分以上を占めており、もはや出発時の原型を留めていません。


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地上に出ると、ワルシャワ市内は気持ち良い快晴。早速、次の目的地へ向かいます。


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