海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ヤンゴン ~ バゴー : 長距離列車で行く古都への旅

[2015年8月]

ミャンマーの最大都市ヤンゴンから北東へ約70 kmにある、古都バゴー (Bago)。ヤンゴンから気軽に行ける観光地としても人気があります。列車の本数は少ないものの、所要時間は2時間程度で、「ちょっと遠出」というのに程よい距離です。長距離列車に乗って、バゴーを目指します。

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ヤンゴン中央駅構内。まずはどこで切符を売っているかを確かめるところからスタート。ほとんどの表記類がミャンマー語のみで (数字も含めて)、駅員に直接聞く以外、情報を得る手段がありません。


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「アッパークラス希望」と言って案内されたのがこちらの窓口。大人しく並んでいると、横から他の客に次々と割り込まれるので、積極的に窓口に話しかける必要があります。駅で買える切符は当日分のみで、前売券 (3日前から) は、駅から離れたチケットオフィスへ出向く必要があります。また、予約システムがオンラインではなく紙の台帳 (!) のみで、帰りの切符は行った先で買ってくれとのこと。


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ミャンマー語表記オンリーのヤンゴン中央駅において、唯一とも言える「外国人にも分かる掲示物」がこちらの時刻表。バゴー行き列車もこちらで確認できますが、全部の列車が掲載されている訳でもないので注意。近くのサービスカウンターで「これ以外にバゴー行きの列車は?」と聞いても、「ない」としか答えてくれません。


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というわけで、結局乗車することにしたのは、駅の時刻表には載っていなかったものの、「地球の歩き方」には記載されていた、ヤンゴン中央駅11:00発シュエニャウン (Shwenyaung) 行き9/141列車。時刻表不掲載の列車でも窓口では普通に切符が買えます。列車は、アッパークラス2両と普通車3両の計5両編成。終点までは24時間以上かかりますが、寝台車は連結されていません。機関車の連結を待ちます。


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最後尾にはタンク車と有蓋車が連結されています。ちょっとした混合列車です。


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今回乗車することになった1両目のアッパークラスの車内。指定席です。一見、普通のボックスシートですが、シート間隔はかなり広くとられています。


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こちらは2両目のアッパークラス車。料金は同じはずですが、明らかにシートの質に差があります。普通車はほぼ満席ですが、アッパークラスは2両合わせて10人も乗っておらず、アッパークラスであれば切符は当日購入でも特に問題なさそうです。


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発車時刻が近づき、機関車が連結されます。中国の大連機車車輛製の機関車です。


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列車はヤンゴン中央駅をほぼ定刻に出発。環状線のキハ181と併走しながら走っていきます。


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いくつかの環状線の駅を通過した後、いよいよ環状線と分かれてバゴー方面へ向かっていきます。


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環状線と別れたあとも、しばらくは近郊列車の運行区間が続きます。小さな駅をいくつか通過していきます。


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途中駅で近郊列車とすれ違い。キハ52のエンジンを取り外して客車化した車両で、ちょっと心惹かれます。


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近郊区間を抜け、一路、バゴーに向かって走っていきます。「非常に揺れが激しい」と評されるミャンマーの長距離列車ですが、確かに時折激しい縦揺れに見舞われるものの、それ以外では多少上下にフワフワした感覚が続く程度で、特に不快という程でもありません。


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米が主要産物であるミャンマー、車窓にも一面の稲田が広がります。ある意味変化に乏しい車窓ではあります。


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ヤンゴンから1時間半程度で、バゴーまでの間での唯一の停車駅、チャウタン (Kyauk Tan) 駅に到着。車掌が「次がバゴーだよ」と教えてくれます。


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車窓の遠方に、バゴーのシンボルである巨大な仏塔「シュエモードー・パヤー」が見えてきます。到着はもうすぐです。


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腕木式信号機の下をくぐって、バゴー駅構内へ。


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バゴーには10分程度の遅れで到着。バゴーから再び列車でヤンゴンに戻ることもできますが、滞在時間が中途半端になることや、そもそも時刻表通りに列車が来るか分からないことを考えると、帰路はバスが無難です。バスは市の外れにあるバスターミナルから出ているほか、市内中心部の通りでもヤンゴン行きのミニバスが頻発していますので、帰りの手段に困ることもなさそうです。


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