海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ソウル近郊の鉄道博物館

[2018年6月]

ソウル近郊の義王 (ウィワン) にある鉄道博物館を訪ねてみます。

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義王はソウルのほぼ真南にあり、ソウル中心部からは首都圏電鉄を乗り継いで1時間ほど。義王駅で下車後、線路沿いを南向きに歩いていくと、10分弱で鉄道博物館の展示車両が見えてきます。


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入り口で入場券を買って中に入ります。日本語版のパンフレットもあるようですが、この日は在庫切れで、英語版を貰って中に入ります。


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構内には多様な車両が展示され、日本にゆかりのある車両も数多くあります。ほぼ中心に置かれている2組の緑色の車両は大統領専用車両。2編成の列車はほぼ同じ外観ながら、一方は大統領自身の専用車で1969年の日本車両製、もう一方は大統領の護衛隊用の車両で1985年に大宇重工業 (現・現代ロテム) により製造された国産車です。2001年まで現役だったとのこと。


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開発中の新型車両「EMU-250」のモックアップ。その名の通り最高速度250 km/hの高速車両で、設備改良された亜幹線への投入が予定されています。近年はどこの国も主要路線で時速300 km/h以上の高速輸送体系が整ってきたので、今後はこのような地方線区用に経済性を重視した「準高速型」車両の需要が増えてくるのかも知れません。


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EMU-250の車内。普通の特急列車という感じの内装です。


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日本の国鉄型通勤車を思わせる外観のこちらの車両は、やはり日本製の1000系電車。トップナンバーの1001号車両です。1974年製。


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こちらは同じく1000系電車で、初の国産化車両1115号。1977年製。同じく国産化された中間車1301号も併せて展示されています。


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かつての普通列車「ピドゥルギ号」用気動車。こちらも日本製で1961年より製造されました。キハ52形をベースにしています。


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国鉄特急色を思わせる塗色の9900系電車。国鉄485系の影響を受け製造された車両で、日立製作所の協力の元に開発され、急行列車「ムグンファ号」に投入されました。1980-81年製。


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アメリカ・アルコ (Alco) 社製のディーゼル機関車3102号。1959年の製造。急行列車「ムグンファ号」の牽引機としても活躍し、所要時間の短縮に貢献しました。


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国連軍司令官専用客車。日本統治時代の1936年に製造された車両で、朝鮮戦争後の1958年に改造され、以降は国連軍と米軍の専用車として使用されました。


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狭軌用の客車18011号。1930年に開業した水原 (スウォン) ~ 驪州 (ヨジュ) 間の狭軌路線などで使用されました。軌間は762 mmです。


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「暖房車」905号。蒸気発生器を持たない機関車が牽引する客車列車に連結され、客車に暖房用の蒸気を供給していました。1998年頃まで使用されていました。


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普通列車「ピドゥルギ号」用の客車12061号。大韓民国成立後初となる国産客車で、1957年から71年に掛けて製造されました。


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準急列車「トンイル号」用の客車13101号。日本製客車をベースに韓国国産とした車両で、1981年の製造です。この車両を含め、多くの展示車両には入口に階段が設置されていますが、公開中に問題があったのか、残念ながらほとんどの車両で車内には立ち入ることができないようになっています。


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狭軌用の蒸気機関車ヒョギ形。「ヒョギ」という名前は、日本語の「狭」と韓国語の「機」の組み合わせに由来しています。1927年頃の製造です。


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展示館では鉄道施設や信号設備、韓国の鉄道の歴史に関する展示が行われています。JR九州から寄贈された783系電車の模型も展示されています。


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他の国の鉄道博物館と同じく、主に家族連れの客で賑わっています。ソウル市内からの半日程度の小旅行に最適の施設です。


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