空港連絡鉄道「A'REX」
[2017年3月]
ソウル駅と仁川 (インチョン)、金浦 (キンポ) の両空港を結ぶ空港連絡鉄道「A'REX (エイレックス)」。2007年に仁川国際空港 ~ 金浦空港間が先行開業し、2010年にソウル駅までの全区間が開業しました。ソウル駅 ~ 仁川国際空港間をノンストップで結ぶ直通列車 (エクスプレス) と、各駅停車 (コミューター) の二種類の列車が運行されています。今回はソウルから金浦空港までの乗車ですが、両列車乗り比べのため、一旦仁川国際空港まで行って、折り返して金浦空港まで乗車してみます。
まずはソウル駅から仁川国際空港行きの直通列車に乗車。ソウル駅は対向式ホーム2面2線の地下駅で、直通列車と各駅停車とで1面ずつホームを分け合って使用しています。切符の種類も改札口も別々です。全駅にスクリーン式のホームドアが設けられています。
車内は雰囲気はほぼ特急列車。全車指定席で、トイレも設置されています。運行頻度はおおよそ1時間に2本程度です。乗客はコンスタントに集まってくるため、発車間際にはそこそこの乗車率になります。
ソウル駅を出た列車は、ほどなく地上区間に出て、漢江 (ハンガン) を渡ります。最高速度は110 km/hです。
車窓には広大な干潟が広がります。
ソウル駅から43分で、終点の仁川国際空港に到着。列車自体は快適で所要時間も長くはないですが、直通列車に乗車するにはまずソウル駅まで出る必要があるため、ソウル市内の滞在場所によっては必ずしもあまり便利ではない場合もあります。
仁川国際空港駅のA'REX発着ホームの隣には、高速列車KTXのホームがあります。ソウル駅近くからA'REXの線路に乗り入れるKTXの直通列車が2014年から運行されています。KTX直通列車は韓国国内の各方面からの列車を合計しても一日9往復しかなく、運賃も高めなことから利用率は低調とのこと。KTX乗り入れによって本数減を余儀なくされているA'REX側とのせめぎ合いもあるようです。
A'REXのホームは中央で区切られ、奥側 (終点側) が直通列車用、手前側 (ソウル側) が各駅停車用に分けられています。改札口も別々です。しかし列車はホームの半分の長さに収まり切れないため、はみ出した分はホームドアを締め切って乗客を分けています。この「出入口一部締切」が行われるのは仁川国際空港出発時のみで、ソウルからの到着時は全てのドアが開放され、両方の改札口から出場できるようになっています。
各駅停車の車内から、締め切られたホームドアを見たところ。列車側の扉は開かれ、ホームドアだけで締め切りが行われるという、ある意味大胆な方法です。
仁川国際空港から金浦空港まで、各駅停車で移動。直通列車は金浦空港には停車しないため、両空港の乗継客も選択肢は各駅停車のみとなります。各駅停車は運賃もソウルの首都圏電鉄と共通化され、車内も普通のロングシート。空港連絡鉄道というより実質的には地域鉄道の一路線という感じです。