海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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大田 ~ 水西 : 新高速列車「SRT」

[2017年3月]

SRT (Super Rapid Train) は、2016年に登場した新しい高速列車で、韓国鉄道公社 (KORAIL) の子会社SR (Supreme Railways) により運行されています。ソウル付近の線路容量飽和対策として新たに開業した「水西平沢 (スソピョンテク) 高速線」を経由し、それ以外の区間ではKTXと同じ線路を走ります。競争原理導入のため当初は民間運営とする計画でしたが、KORAIL側の反発により子会社による運営という形におさまっています。ターミナル駅の水西 (スソ) はソウル市の南東部に位置しており、ソウル新都心の江南 (カンナム) 地区からの利便性が高くなっています。

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今回は韓国中部の都市、大田 (テジョン) から水西まで乗車します。SRTの切符はKORAILと同じ窓口で購入できます。インターネット予約の場合、KORAILの公式サイトではSRTの列車は発売されていません。SRTの公式サイトもありますが、現在のところ韓国語のみのため、外国人には敷居が高いのが現状です。KORAIL PASSも対象外になっています。


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大田駅のSRT発着ホームはKTXとの共用です。


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向かいにホームには在来線の新型特急「ITX-セマウル」が到着。


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乗車位置案内は、初代KTX (KTX-I)と、二代目KTXのKTX-山川 (サンチョン)、そしてSRTの表記があります。SRTの車両はKTX-山川とほぼ同型のため、乗車位置も同じです。


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水西行きSRT 800列車が到着。車両はKTX-山川 (110000形) のSRT仕様車120000形で、塗色が青基調から紫に変更され、「ダリアン」という愛称が付けられています。車両性能はKTX-山川とほぼ同じですが、スナックバーが廃止され定員が増加しています。SRT用の車両には、KORAILが保有しSRへリースされている120000形と、SRが保有するほぼ同仕様の130000形の2形式があります。


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乗車用のステップは、車体からせり出す方式です。


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今回は乗車直前の切符購入だったということもあり、比較的席に余裕がある特室 (一等車) に乗車。1+2列の席が並び、日本のグリーン車とほぼ同様の設備です。特室でも結構乗車率は高め。茶菓子とミネラルウォーターのサービスがあります。


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車内のモニターでの停車駅案内には、日本語の表示もあります。


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比較的停車駅が多いためか、列車はスピードも抑え気味で走ります。


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平沢 (ピョンテク) の分岐点でソウル行きのKTXの線路と別れ、水西へ向かう専用線に入っていきます。


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京釜 (キョンブ) 線との接続駅である芝制 (チジェ) を通過。水西平沢高速線にある途中駅は2駅で、ほとんどの列車はどちらか一駅に停車します。この先、列車は地下区間へ入っていきます。


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地下区間にある東灘 (トンタン) に停車。通過列車への対応としてスクリーン式のホームドアが設置されています。


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大田から約1時間で、終点の水西に到着。新線区間はほとんど地下のため、少々見どころに欠ける列車旅ではありました。


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大規模な駅舎の水西駅。地下鉄は2路線が接続しており、江南地区へも15分ほどでアクセスが可能です。SRT開業以前は、江南からKTXを利用するのに地下鉄で40分近くかけてソウル駅まで行く必要がありましたので、SRTの利便性向上効果はかなり大きいと思われます。


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