海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ブルートレインの宿「関ロッジ」

[2008年4月]

三重県にある国民宿舎「関ロッジ」には、現役を引退した20系客車を利用した客室があります。今回、この「ブルトレ客室」に宿泊してみることにしました。

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関ロッジは高台の上にあります。こんな場所まで客車を運んでくるだけでも大変だったと思われます。


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客車は本館のすぐ脇に置かれています。建物とは繋がっていませんが、雨に濡れないよう、本館との通路には屋根が設けられています。


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客車の近影。少々汚れてはいますが、比較的良好な状態で保存されています。


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使われている車両はナハネ20の2000番台。急行格下時に12系と併結可能なように改造された形式です。


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列車名表示は急行「さんべ」。懐かしい名前です。サボは急行「だいせん」ですが、新しそうなので、後から挿されたものではないかと思われます。


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さすがに粉砕式汚物処理機は現役ではなく、排水管が設置されています。


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車内の様子。洗面所、便所は車内のものが使用できます。ただし、洗面台、便器は新しいものに取り替えられています。


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冷水機も設置されたままになっています。多分使えないと思いますが…。


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廊下の様子。寝台には仕切りが設けられ、個室寝台車のような雰囲気になっています。客室は全部で5室で、それぞれ「ひかり」「こだま」「やまびこ」「あおば」「はやぶさ」という名前になっています。この「ブルトレ客室」がいつごろ開業したのか、なんとなく推測できそうです。


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廊下には「例のイス」も健在。


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客室内部では、「カイコ棚」と呼ばれた幅52cmの3段ベッドがそのまま使用されています。


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さすがにオリジナルのままでは狭すぎると判断されたのか、寝台を一部撤去して2区画分を繋げ、一つの客室としています。室内は畳敷きとなっています。鉄道好きにはなかなか楽しい空間です。


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現役時代の荷棚もそのまま。さすがにエアコンは新しく設置されています。写真の右のほうに見えるベッドの個人用照明は、今でも使用できます。


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デッキには国鉄時代の広告が。「チャレンジ20000 km」のものですが、構図も昔を感じさせます。


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全体的には比較的きれいに維持されていますが、細かいところは経年劣化を感じさせる箇所も。写真のステップ部分は床板が腐食し穴が開いています。

***

今回宿泊予約をした際、「部屋は狭いですけど大丈夫ですか?」と何度も念押しされました。もちろん私達は知ってて泊まったわけで、狭いことなど覚悟の上だったのですが、苦情を言う客も多かったのかも知れません。このような寝台車を利用した宿泊施設は、はじめの頃は話題性もあったのでしょうが、普通の部屋に比べて快適性で劣るため、今では次々と姿を消しており、風前の灯火となっています。本物のブルートレインも次々と廃止になっていく現在、この関ロッジには今後も頑張ってもらいたいものです。


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