島原鉄道の部分廃線区間とキハ20
[2007年12月]
全国で私鉄のローカル線廃止が相次ぐ中、今度は、島原鉄道の南半分・島原外港~加津佐間が、2008年春を以って廃止されることになりました。今回は、その部分廃線区間のお名残乗車を目的として、島原鉄道を訪問することとしました。また、部分廃止に伴ってその去就が注目される、古参気動車・キハ20にも、日を改めて乗車してきました。
島原鉄道の発着は、JR諫早駅の片隅にある、島鉄専用0番のりばから。今回乗車するのは、加津佐行き急行「しまばら号」です。車内は、地元客とお名残乗車目的のファンに加え、昨今の鉄道ブーム (?) の影響か、一般旅行客も数も多く、かなりの混み様です。
しまばら号は1時間程で、島原鉄道の中間地点で最大の駅でもある、南島原に到着。昔ながらの雰囲気を持つ駅舎が特徴です。多くの列車はこの駅止まりで、また加津佐方面へ直通する列車の一部も、ここで車両交換を行います。廃止予定区間は、熊本行きのフェリーなどが発着する一つ先の島原外港から。
南島原駅には島原鉄道の車庫が併設されています。現在の主力であるS-DC2500型に加え、キハ20型の姿も見えます。
列車はいよいよ廃止予定区間へ。線路は、噴火した雲仙普賢岳の麓を通ります。一度は火山灰に埋もれた線路を復旧させ、数年後にようやく運行再開にこぎつけたにも拘らず、早々と廃線されることとなってしまいました。非常に残念。
諫早から2時間少々、現在の終点・加津佐に到着。ここに列車がやって来るのもあとわずかです。
加津佐駅は2005年まで有人駅だったようですが、現在は無人駅。出札口にはカーテンが閉められ、寂しい雰囲気に拍車をかけています。
駅舎はそこそこ大きいですが、ひっそりとした雰囲気が漂います。
一方、こちらは日を改めて乗車することとなったキハ20。部分廃止後は定期運用から外される予定で、こちらもまもなくお別れとなってしまいそうです。
この日の列車は、国鉄一般色のキハ20 16と、新島鉄色のキハ20 18の豪華2両編成。
夕方の下り列車のため、県外からの訪問客らしき方々はほとんど見かけず、車内は程々の乗車率。この後、特急かもめ号から乗継の帰省客が乗り込み、加津佐に向けて発車します。
約1時間半後、列車は南島原に到着。列車は加津佐行きですが、キハ20は南島原以南に入ることはなく、S-DC2500に車両交換されます。
乗り換えてわずか一駅後、残存区間の終点となる予定の島原外港駅に到着。今回はここで下車します。
島原外港駅からフェリーターミナルまでは徒歩でアクセス可能。熊本行きや三池行きのフェリーに乗り継ぐことができます。我々もここからフェリーへ乗り継ぎます。
島原鉄道の赤字の多くは、今回廃止される南半分の区間が原因とされており、年々厳しくなる経営環境を考えると、やはり維持は難しいとの結論に至ったようです。とはいえ、せっかく高架化してまで復旧させた部分が早々に廃止になってしまうのは、やはり遣り切れない感じです。