海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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さようなら西鉄宮地岳線

[2007年1月]

西鉄宮地岳線が2007年春で部分廃線になることになり、乗りおさめに行ってきました。今回廃線になる区間は、宮地岳線の北半分・新宮~津屋崎間ですが、福岡市近郊のためある程度市街化も進んでおり、昼間でも1時間に4~5本の列車本数があるなど、普通の感覚からすると廃止になるようなところではないようにも思えます。赤字額も多かったようですし、いろいろと事情もあったのでしょう。かくいう私も、かつて福岡市内に20年近く住んでいたのですが、そのときに乗ったのはたったの1回でした。

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旅の始まりは地下鉄箱崎線と接続する南端の貝塚駅から。車両は、車体更新して少し近代化したとはいえ、かなりの古参である300形です。


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車内の路線案内図。津屋崎方面が載っている路線図を見る機会もあと少しということで撮ってみましたが、良く見ると少し前に開業した千早駅のところは上からシールを貼っているだけです。こんなところにもカネを使ってもらえないような不遇の扱いを受けていたのでしょうか。


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ここ新宮駅から先が廃止予定区間。確かにここから南と北では市街化の度合いがかなり違うように見受けられますが、沿線が「玄海国定公園」の指定区域であることも大きな理由のようです。一つ南側の三苫駅までが福岡市内で、新宮以北は市外になります。かといって、北側もそれほど人がいないわけでもないのですが。JRと並行して競合が激しいというのも大きな理由のひとつなのでしょう。


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とりあえず終点まで乗車。津屋崎駅。電車は結構揺れました。


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ここはさすがに周辺に大したものはなく、うすぐもりの天気とも相まってなんだか寂しい雰囲気がただよってます。


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津屋崎駅の駅舎。駅員は委託ですが常駐です。近くに海水浴場もありますが、電車で来た客はどれほどいたのでしょうか。


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かえりは313形に乗車。こちらも古参です。こういった旧型電車たちは、やはり部分廃止以降は余剰となって廃車になってしまうのかもしれません。趣味的には廃車は惜しいのでしょうが、あの激しい揺れを考えると、乗客にとっては良いことなんでしょう。


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隣の宮地岳駅で下車。今回の旅は初詣も兼ねていたので、近くにある宮地岳神社に行ってきます。


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駅に置いてあった、というかころがっていた看板。どうも路面電車が走っていた時代からの遺品のようです。


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駅の構造を見る限り、ホームは今のような1面1線ではなく、島式の2線だったのではないかとも思われます。だとすれば、先ほどの看板もその時代のものなのではないでしょうか。


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駅裏手にある謎の空き地。引込み線などがあったのでしょうか。宮地岳線の途中駅にはこのような駅構内跡が数箇所にあり、かつてはどのような光景が広がっていたのか想像をかき立てられます。


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宮地岳駅の駅舎。そこそこに立派です。


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臨時改札口。宮地岳神社の参拝客のためのものでしょうが、今年の元旦の最後の晴れ舞台には活用されたのでしょうか?


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こちらは宮地岳神社。宮地岳線と違って人であふれています。


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神社の前から続く駅までの道。さすがにこの日はそこそこに利用客がいました。


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しかし参拝客の大半は、駅とは異なる方向へ帰って行きます。恐らくこの先には駐車場があるのでしょう。にっくきマイカー、というところです。最近はは電車で参拝という時代でもないのでしょう。かつては、宮地岳線の宮地岳付近は現在とは異なるルートを通っており、ルート変更前は、神社参道の入口により近いところに線路が通っていたそうです (旧線の廃線後が車窓からも少しだけ見えます)。そして今回、本線自体が廃線になってしまい、電車での参拝は完全に過去のものとなってしまいます。


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宮地岳線の旅ももうすぐ終わり。最後は、廃線区間ではありませんが、つい先ごろ高架化された香椎駅で下車しました。車両は宮地岳線では最新鋭となる (でも昭和40年代製) 600形でした。この車両も新しくはないですが、やはり旧型車に比べて乗り心地は快適です。


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この表示ももうすぐ書き換えられます。


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香椎駅入口。もうすぐ一部区間が廃止になる路線の駅とは到底思えない立派な駅ですが、車両は年代物ばかりです、線路も単線と、色々バランスさが目立ちます。沿線の人口や列車本数などを考えると、廃止するには勿体無いと思わざるを得ませんが、今更騒いだところで廃止は既定路線。一方で宮地岳線関連では、(ちっとも実現しませんが) 福岡市地下鉄箱崎線との相互乗り入れや、人工島アイランドシティへの分岐路線の計画もあります。残存の南側区間の今後の発展を願うこととしましょう。


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