海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

title

title

HOME   >   ヨーロッパ   >   flag イギリス

空港連絡列車「ヒースロー・エクスプレス」と「ヒースロー・コネクト」

[2011年5月]

ロンドン・ヒースロー空港と都心との間を列車で移動するには、最も一般的に利用されている速達タイプの列車「ヒースロー・エクスプレス」、同区間をほぼ各駅停車で走る「ヒースロー・コネクト」、そして、時間は掛かりますが最も安く行ける地下鉄 (チューブ)、という3つの手段があります。今回は「ヒースロー・エクスプレス」と「ヒースロー・コネクト」の2つの列車について、往復で乗り比べてみることにしました。

01.jpg
日本からの直行便が主に発着するターミナル3からは、ヒースロー・セントラル駅を利用することになります。この駅からは、「ヒースロー・エクスプレス」と「ヒースロー・コネクト」の両方の列車が発着しています。なお、ターミナル4駅へは「ヒースロー・コネクト」が、またターミナル5駅へは「ヒースロー・エクスプレス」が直通運行されており、利用するターミナルによってはセントラル駅で乗換が必要になります。なお、ターミナル間の移動のみで列車を利用する場合、料金はかかりません。


02.jpg
こちらは、速達タイプの列車「ヒースロー・エクスプレス」。強い丸みを帯びた特徴の、シーメンス/CAF製・クラス337電車が使用されています。


03.jpg
「ヒースロー・エクスプレス」は、イギリスの空港管理会社BAAが運行主体となっています。15分おきに運行され、ロンドン・パディントン駅までの所要時間は約15分。料金はニ等車 (エクスプレス・クラス) 利用で片道18ポンド (約2350円) と、乗車時間の割にはかなり値が張ります。ネットで事前購入すると少しだけ割引されます。


04.jpg
エクスプレス・クラスの車内。シート配置は2&2です。リクライニングや方向転換の機能はありませんが、短い乗車時間では十分すぎる設備です。空港連絡列車らしく、入口付近には大型荷物置場があります。


05.jpg
一方のこちらは、各駅停車タイプの「ヒースロー・コネクト」(パディントン駅で撮影)。シーメンス製「デジロUK (Desiro UK)」ファミリーのクラス360電車が使用されています。


06.jpg
「エクスプレス」がBAAの単独運行であるのに対し、「コネクト」は、BAAとファースト・グレート・ウェスタン (パディントン駅を拠点とする鉄道運行会社) の合弁による運営。パディントン駅までの所要時間は約27分で、「エクスプレス」の倍近くかかりますが、運賃は片道8.5ポンド (約1110円) と半分以下です (事前購入割引は無し)。ただし、30分の一本の運行で、本数は少なめです。


07.jpg
「コネクト」の車内。イギリスの近郊列車で一般的な2&3列の固定式クロスシートで、「エクスプレス」とは随分差があります。乗降口近くに大型荷物置場が設置されているのが他の近郊型車両との相違点です。


08.jpg
「エクスプレス」と「コネクト」の運行区間はほとんどが複々線となっています。「エクスプレス」は内側の急行線、「コネクト」は外側の緩行線を走り、「コネクト」は大抵途中で「エクスプレス」に抜かれてしまいます。ほとんどの利用客は、少々料金が高くても、早くて快適な「エクスプレス」に流れてしまっているようです。


09.jpg
「コネクト」は、空港とは無関係な区間利用の乗降客が多く、少々車内が落ち着かない感じもあります。このあたりも「エクスプレス」が好まれる理由でしょうか。ただ、「コネクト」の停車駅には地下鉄との接続駅もあり、パディントン以外のロンドン市内他地域へ向かう場合には、こちらのほうが便利な場合もあります。


10.jpg
「エクスプレス」と「コネクト」の都心側ターミナルとなる、ロンドン・パディントン駅。イギリスの列車運行会社のひとつであるファースト・グレート・ウェスタン (First Great Western) の拠点駅でもあり、西部方面への長距離列車や近郊列車が発着しています。「エクスプレス」が駅中央のホームを使用しているのに対し、「コネクト」は端っこのホームから発着しています。所要時間以外にも、何かと差がつけられている両列車です。


≪  前の記事へ    -    flag イギリス    -    次の記事へ  ≫


home

CONTENTS