海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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デュッセルドルフ市内交通

[2011年11月]

多くのヨーロッパの都市と同じく、ここデュッセルドルフでも近郊電車 (Sバーン)、地下鉄 (Uバーン)、路面電車等の全てで統一的な運賃制度を採用しており、共通の乗車券で利用が可能です。デュッセルドルフ市内を中心とした運賃ゾーンA内の一日乗車券 (5.5ユーロ) を購入し、それぞれの鉄道に試乗してみます。

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デュッセルドルフ国際空港から近郊電車 (Sバーン) に乗車します。Sバーンとは、「シュタットシュネルバーン (Stadtschnellbahn、都市高速鉄道)」の頭文字に由来しますが、シュタットバーン (Stadtbahn、ライトレール) やシュトラーセンバーン (Straßenbahn、路面電車) も頭文字は全て「S」のため、少々紛らわしいです。こちらの車両は、Sバーンで主力として活躍する連接タイプの423系電車。Sバーンの運行系統番号には、写真の「S11」のように、頭にSが付きます。


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423系の車内。製造初年は1998年で、車内デザインも近代的です。


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高速鉄道ICEとも並走しながら、デュッセルドルフ中央駅 (Düsseldorf hauptbahnhof) へ向かって快走します。


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こちらの車両は、快速列車「レギオナル・エクスプレス (RegionalExpress)」として活躍する客車タイプの車両、Xヴァーゲン (x-Wagen)。一部のSバーンの列車にも使われています。客車側にも運転台を設け、機回しなしで両方向に走行できるようにしたプッシュプル方式の車両です。客車側の先頭車 (制御客車) は一見して電車のような顔付きをしていますが、連結器がネジ式となっているところに、客車としての特徴を見つけることができます。


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Xヴァーゲンを牽引 (または推進) しているのは、旧東ドイツ国鉄 (ドイチェ・ライヒスバーン Deutsche Reichsbahn、ドイツ帝国鉄道) 時代より継続して使用されている、143形電気機関車。客車の性能に合わせて改造が施され、最高速度が140 km/hに向上しています。


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地下鉄 (Uバーン)。デュッセルドルフでは、他のドイツの中規模都市と同様、本格的な地下鉄の導入は見送り、シュタットバーン (ライトレール) の市中心部区間のみを地下化するという方式を採用しています。需要が限られる規模の都市では、建設費が抑制できる合理的な方式です。写真の車両は、1980年代製造のB80D形で、多くの列車がこの車両で運行されています。Uバーンの運行系統番号は、頭にUの文字が付きます。


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Uバーン地上区間の停留所の看板。「U」の文字と、「シュタットバーン」の表記を組み合わせたロゴマークで、他都市でも同じマークを使用しています。


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並木に挟まれた専用軌道区間を走るUバーン/シュタットバーン。地上区間では、多くの区間で専用軌道を走行します。停留所のホームは、場所によって高床式であったり、低床式であったりで統一されておらず、車両は可動式ステップによって両方のホームに対応しています。


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こちらは一部で活躍する、やや古めの車両、GT8SU形。上記のB80Dとは共通運用ではなく、一部路線 (写真のU75系統など) で集中的に使用されているようです。乗り心地はやはりB80D形に軍配が上がりますが、丸みを帯びた外観には親しみが持てます。


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最後はシュトラーセンバーン (路面電車)。運行系統番号は700番台の数字のみです。シュトラーセンバーンでは、ほとんどの車両が超低床式の新鋭車両で占められています。写真の車両はシーメンス製「コンビーノ」シリーズの NF10形。


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こちらも超低床車の、同じくシーメンス製「コンビーノ」シリーズの NF8U形。シュトラーセンバーンは多くの区間が道路との併用軌道ですが、一つ前の写真のように一部区間で専用軌道もあるほか、シュタットバーンとの共用区間もあり、ルートは複雑に交錯しています。


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最後は、運よく捉えることができた、古参車両を使用したシュトラーセンバーンの観光車両、パルティバーン2498号。基本的には貸切で、残念ながら個人での乗車は大変難しいようです。


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