海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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プラハ ~ プルゼニ : ボヘミアをめぐる列車旅1

[2016年5月]

チェコの西半分にあたるボヘミア地方の都市を、列車に乗って巡ります。まずは首都プラハから南西部の主要都市プルゼニ (Plzeň) へ。プルゼニはドイツ語名をピルゼン (Pilsen) と言い、ビールの「ピルスナー」発祥の地として知られています。

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出発はプラハ中央駅 (プラハ・フラヴニー・ナードラジー Praha hlavní nádraží)。プラットホームに巨大なドーム式屋根を持つ首都の代表駅で、多くの国際列車・国内長距離列車が発着しています。


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こちらの黄色い列車は、チェコ鉄道 (ČD) ではない民間企業により運行されている特急列車「レギオジェット (RegioJet)」。チェコとスロバキアの各都市を結んでいます。


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今回乗車するのは、プラハ発プルゼニ行きRx 762列車「ベロウンカ (Berounka) 号」。プラハからプルゼニまでの区間はパターンダイヤが組まれており、1時間に1本の直通列車が運行されています。牽引機はチェコ (当時チェコスロバキア) のシュコダ (Škoda) 製362型電気機関車。1990年代初頭に製造された形式です。


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Rx 762列車は一等車が1両と、二等車が4両という編成。二等車はコンパートメント車が主体ですが、一部に開放式座席の車両も連結されています。


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Rxは「リフリーク・ヴィシー・クヴァリティ (Rychlík vyšší kvality)」という列車種別で、「高品質の快速列車」を意味します。通常の快速列車「リフリーク (Rychlík)」と比較して、近代化改修された更新型客車が優先的に充当されている (原則8割以上) のが特徴です。この列車もプラグドア式自動扉を装備した更新型客車が主体の編成ですが、写真のような手動扉の旧式客車も一部だけ連結されています。


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あえて旧式客車に乗ってみようかとも思いましたが、残念ながら全てのコンパートメントに先客がいたため、更新型客車の方に乗車。コンパートメント内は二等車ながら片側3人掛けのゆったりしたシートで、「高品質」の名に違わない設備です。座席指定も可能な列車ですが、満席になることはあまりなく、あえて指定を取る人はほぼ皆無です。


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プラハを発車した列車は、春のチェコ国内を駆け抜けていきます。更新型客車は揺れも騒音もほとんどなく、列車は滑るように走ります。区間利用の乗客は結構多く、プラハ発車時には1人で占有できていたコンパートメント内にも、新たな乗客がやってきては途中で降りていきます。


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列車名の「ベロウンカ」とは近くを流れる川の名前。列車が走る線路も、時々ベロウンカ川に繋がる支流の川と並走します。


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乗降扉に差された行先表示。運行区間が短いため、経由地の表示内容も少々質素です。


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プラハからおよそ1時間半で、終点のプルゼニ中央駅 (Plzeň hl. n.) に到着。


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運行の合間の窓掃除は運転手の仕事。


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隣に停車中の客車列車。この辺りまでくると、プラハ周辺に比べて旧型の車両や旧塗色の車両が多く見られるようになります。


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築堤上を通る線路に両脇を挟まれた場所に建つプルゼニ中央駅の駅舎。1907年に建てられた古い建物で、戦時中に空襲で大きなダメージを受けたものの、修復を受けて今も現役で使われています。


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