成都 ~ 重慶 : 高速列車CRH2
[2019年5月]
中国の高速列車「和諧号」に乗って、中国西部の成都から重慶まで移動します。
出発駅は成都東駅。2011年に開業した新しいターミナル駅です。最近の中国ではあらゆる施設への入場で身分証明書の提示が求められ、駅に入る時にもパスポートが要ります。長距離列車の切符の購入の際にもパスポートが必要です。
駅の構造は、3階に出発ホールがあり、2階にプラットホーム、1階が到着ホールという3層構造です。高速鉄道の急速な発達とともに、近年中国国内の主要都市でターミナル駅が数多く建設されていますが、どこの駅も基本的に同じような造りです。必要以上に天井が高いというのも共通しており、鉄道駅というより空港を思わせます。
列車別改札が行われているので、出発間際まではホームに立ち入ることはできません。
今回乗車するのは、写真右側に停車中の成都東始発の広州行きD1854次。車両は日本のE2系をベースにしたCRH2Aで、8両編成です。左に停まっているのは、ドイツのICE3をベースにしたCRH3Cの山地用改良型であるCRH3A。原型となったCRH3Cとは若干顔つきが変わっています。
CRH2Aの方はE2系そのままという感じの外観です。中国の鉄道は時刻表や予約サイトにまでご丁寧に形式名が表示されるので、どのような形式がやってくるのかは事前に分かります。
一等車に乗車します。2-2列の座席配置で、内装や座席形状も含めてE2系の雰囲気が色濃く残っています。大きな違いとしては、天井に複数のモニターが設置されていることと、中国でよくある座席全体を覆うカバーが使われているため、座席に背面テーブルがないことくらいです。
座席の付番方法が少し変わっており、通路を挟んでA/C席とD/F席に分かれています。飛行機の座席のように、2列席でも3列席でも常にA席とF席は窓側、C席とD席は通路側と揃うようになっています。
成都から重慶に至る高速路線には2つの経路があり、2015年に開業した最高速度350 km/hの「成渝客運専線」と、既存路線を改良した最高速度200 km/hの遂寧経由の路線とがあります。この列車は「G列車 (高速動車組)」ではなく、中速の「D列車 (動車組)」で、速度が遅い方の遂寧経由の経路を通っていきます。
車両の性能としては250 km/hでの走行が可能ですが、線路側の制約を受け、最高速度200 km/hで走ります。
途中駅での乗降は結構あります。列車ごとに停車する駅を変えた「千鳥停車」のような運行形態が多くの路線で行われています。
成都東から2時間20分ほどで、目的地の重慶西駅に到着。時刻表通りの正確な運行です。なお成都~重慶間を「成渝客運専線」経由のG列車で移動した場合の所要時間は1時間30分程になります。
重慶西駅は成都東よりも更に新しい2018年の開業。駅の造りは同じく3層構造で、下車客は階段を降りて1階の到着ホールへ向かいます。