海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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香港 ~ 広州間の直通列車・「準高速」編

[2010年8月]

香港→広州の往路は「Ktt」に乗車したので、広州→香港の帰路は「準高速」に乗車してみます。準高速は、Ktt導入以前から運行されている従来型車両使用の列車です。やはり快適さではKttに見劣りするのでしょうが、往復とも同じ車両に乗るのもつまらないので、帰路はあえてこの列車に「指名乗車」します。所要時間はKttの1時間50分に対し、準高速は1時間53分と、時刻表上はほとんど変わりません。

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広州東駅での乗車時のシーン。ここもやはり「列車別改札」で、発車の20分ほど前に乗車が開始されます。客車は、高速走行 (160 km/h) 対応の25Z系客車。Kttのような特等車はなく、一等軟座車のみのモノクラス編成です。ちなみに、広州~香港間は全区間電化されていますが、牽引機はディーゼル機関車・東風11型 (DF11) となっています。


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「特快」の表記が誇らしげな準高速のサボ。簡体字で「広州東・九龍」と書いてあります。すこしレトロ調ともいえますが、長距離列車 (…というほど長距離でもないですが) らしい良い雰囲気が出ています。


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準高速の車内。座席は固定式リクライニングシートで、5列ずつ方向を変え、集団見合い式と離反式を組み合わせたような配置となっています。シートピッチもほどよく確保されており、座り心地も悪くありません。ただし、残念ながら私の席は後ろ向き。


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列車は広州東駅を定時に出発。あいにくの雨模様です。


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緑色の客車の向こう側に見えるのは、かつてこの区間を走っていた「新時速」用車両のX2000形。1998年の広深線電化の際、香港側の「Ktt」と対を成す存在として、中国・広深鉄路公司が導入した…というかスウェーデンから無料で借りてきた、高速振り子列車です。現在は車両故障により運休中で、車両基地の片隅に放置という不遇の扱い。2015年に広深港高速鉄路の開業が控えている現在、復活の見通しはますます暗くなるばかりです。この先どうなるのでしょうか。


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この列車は比較的短時間の運行ながら、食堂車もしっかりと連結されています。そこそこの利用はあるようです。


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中国鉄道名物の給湯器。中国大陸内の列車では、お茶を入れたりカップラーメンを作っている人を良く見かけますが、今回は使っている人は見ませんでした。


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LED式の情報掲示板もありますが、「祝大家旅途愉快!」というメッセージが繰り返し延々と流れるだけで、有用に活用されているとは言えません。


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唯一の途中停車駅、東莞駅に停車。向こうのホームには、深圳行きCRH1型の姿が見えます。


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広深線は複々線となっており、運がよければ広九直通車とCRH1の並走を見ることができます。車両性能に差があるため、スピードでは広九直通車が負けてしまいますが、CRH1は停車駅が多く、停車中に広九直通車が追い抜き、並走してまた抜かれるという、息の長い競争になることもあります。


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快調に飛ばしていた準高速ですが、案の定、香港に入ったとたんノロノロ運転になり、結局、終点紅磡 (ホンハム) には25分遅れで到着。ディーゼル単機牽引のため、Kttよりも更に加減速の点で不利にな準高速には、通勤電車との並行ダイヤはかなり辛いのではと思われます。


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紅磡到着後、すぐに機関車を切り離し、折り返し運転に備えます。


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