上海の充電式路線バス
[2009年1月]
日本ではすっかり廃れてしまったトロリーバスですが、旧共産圏の国々を中心に今も活躍しているところも多く、ここ上海でも目にすることができます。しかし、ここで紹介するのは世界的にも珍しい「充電式」のバス。普通のバスとも、トロリーバスとも異なる「第三のバス」とでも言うのでしょうか。
道路上に、トロリーバス用の架線とは異なる奇妙な構造物を発見したと思っていたら、やってきたのはバス。構造物の直下に停車し、屋上の「集電器」を上げて接続します。どうやらこれが充電式バスの「充電ポイント」のようです。バスは路線を運行中のようで、乗客も乗ったままです。
充電時間は数十秒。充電が終わると集電器を降ろし、バスは再び走り始めます。運行中にしばらく停車するのが乗客にとって多少鬱陶しいということを除けば、架線を長い区間に張る必要もなく、建設費や街の景観面でのメリットが大きい方式だと思われます。途中でトロリーポールが外れて立ち往生する危険もありません (今回も中国でその現場を見ました)。今後このような方式が広まっていくかもしれません。しかし、日本ではトロリーバスは法律的には「無軌条電車」という鉄道の一種に分類されているわけですが、この手の車両となると、自動車か、鉄道か、どちらになるのでしょうかね。