海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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ドバイメトロ・アラビア半島唯一の都市鉄道

[2014年1月]

アラビア半島の国々では鉄道があまり発達していませんが、ここドバイには、アラビア半島で唯一の都市鉄道「ドバイメトロ (Dubai Metro)」があります。日本企業が中心になって建設し、2009年に開業したばかりの新しい鉄道で、「世界一長い無人鉄道」としても知られています。今回はその「ドバイメトロ」に乗ってみることにします。

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ドバイメトロは街の中心部を走る一部区間のみが地下化され、郊外区間のほとんどが高架路線となっています。地下区間の駅の入り口は写真のような感じで、どこの駅も大体似たようなデザインです。酷暑のドバイの気候を考慮してか、入り口は自動ドアで仕切られています。


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郊外の高架区間の駅はこのような感じ。基本的な意匠は地下駅と共通していますが、見るからにお金が掛かっていそうな構造です。デザインに凝り過ぎて建設費が膨らみ、契約上の都合で建設した日本企業が大きな費用負担を迫られた、などという話も伝わってきます。


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駅構内には、数台の自動券売機と有人窓口があります。後述のICカードを使う乗客が多いため、券売機の台数も少なめです。


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改札口は自動改札。乗車券 (カード) は全てIC化されているので、改札機にはICの読取センサーのみが設けられています。


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乗車カードには4種類ありますが、短期滞在者が主に利用するのは2種類。「レッドチケット」は一乗車または同一料金区間の複数回利用で使用する、いわば回数カードで、自動券売機で購入可。「シルバーカード」はSuicaのようにフレキシブルに使用できるカードで、こちらは窓口で購入。最低販売価格は20ディルハム (約560円)、うち14ディルハムが使用可能分で、購入時に追加チャージもできます。どちらのカードも使用開始後に追加チャージ (top-up) が可能です。


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プラットホームは、地下駅、高架駅とも全てスクリーン式のホームドアが設置されています。これは安全面のみならず、酷暑のドバイならではの必須の設備です。


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列車には一般席「レギュラークラス」に加えて、特別席「ゴールドクラス」もあり、レッドラインであれはジェベルアリ (Jebel Ali) 側、グリーンラインであればクリーク (Creek) 側の先頭車に連結されています。乗車には、ゴールドクラス運賃で購入したレッドチケットか、ゴールドクラス専用の「ゴールドカード」が必要で、シルバーカードでは乗車できません。ゴールドクラス車の半室は女性専用席で、更にその隣の車両はラッシュ時のみ半室女性専用となる区画があります。


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使用されている車両は、近畿車輛製の5両編成の電車。750V直流の第三軌条集電で、最高速度は90 km/h。開業済みの2路線 (レッドライン、グリーンライン) で同じ車両が使用されています。


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完全無人運転で、両先頭車に運転席はありません。ゴールドクラスと反対側の先頭車は一般席 (レギュラークラス) なので、普通のチケットでも前面展望を楽しむことができます。


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余談ですが、ドバイメトロは世界一高いビルとして有名な「ブルジュ・ハリファ (Burj Khalifa)」の近くも通っており、列車からもその姿を見ることができます。レッドラインのブルジュ・ハリファ/ドバイ・モール (Burj Khalifa/Dubai Mall) 駅が至近です。なおブルジュ・ハリファの展望台「アト・ザ・トップ (At The Top)」は大変人気が高く、しかも当日券の価格は前売券の3倍 (!) もするため、訪問の際には事前予約しておくことを強くおすすめします。


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現在は2路線のみが開業しているドバイメトロには、他にもいくつかの計画路線がありますが、進捗はかなり遅れているようです。写真はレッドラインの終点のラシディヤ (Rashidiya) 駅付近で、ここからブルーラインが伸びていく計画になっていますが、2013年開業予定だったにも関わらず、まだ着工すらされていない様子。現状では新路線開業は遠い先の話のようです。


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