海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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サンフランシスコの旧型路面電車

[2017年2月]

サンフランシスコには、かつてサンフランシスコ市内や国内外の他都市で使われていた旧型路面電車を集めて走らせている路線があります。メインストリートを通る「F - マーケット&ワーヴズ (F Market & Wharves) 線」と呼ばれる路線です。かつては一般の路面電車として営業していた路線で、都市鉄道の「バート (BART)」やライトレールの「ミュニ・メトロ (Muni Metro)」の開業時に一旦廃止された後、新たな観光客向けアトラクションとして復活を果たしています。ライトレールやバスと共通の切符で乗車が可能なため、地元客にも利用されています。

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最大勢力を誇っているのが、流線型の車体が特徴の「PCCカー (PCC streetcar)」と呼ばれる車両たち。各車毎に塗色が異なり、それぞれアメリカ国内各都市で活躍していた時代の塗色が再現されています。写真の車両はワシントンDCで使用されていた塗色を纏った1076号車。


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こちらはミネアポリスとセントポールの塗色の1071号車。


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ロサンゼルスのパシフィック電鉄 (Pacific Electric) 塗色の1061号車。


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シカゴ塗色の1058号車。PCCカーには一部に両運転台型の車両もありますが、多くは片運転台型。終点ではループ線を通って方向転換を行います。


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PCCカーの車内の様子。


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各車の窓には塗色の由来となった都市名が書かれています。あくまで塗色が再現されているというだけで、各車がそれぞれの都市で実際に活躍していた訳ではありません。


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窓のところに紐があり、降りるときはこの紐を引っ張って運転士に知らせます。


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PCCカーに次ぐ勢力を誇るのが、こちらのイタリア・ミラノ市電から来た車両。「ピーター・ウィット型 (Peter Witt Streetcar)」と呼ばれるアメリカで開発された形式で、PCCカーより一つ前の世代に当たります。


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ミラノ市電の車内。木製のロングシートです。


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最後尾はちょっとした展望スペース。


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ミラノ市電の車両には塗色のバリエーションがあまりなく、ほとんどが上の写真のオレンジ色ですが、一部だけ異なる塗色の車両も走っています。この路線で走っている車両は、概ねPCCカーとミラノ市電が2:1の割合で、その他が少数という印象です。日本から来た車両もあるようですが、右側通行で使うには扉の位置が合わないとか、ブレーキ構造がアメリカの基準に適合していないとか色々と課題があり、投入はまだ先になるようです。


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サンフランシスコと言えばケーブルカー。おまけで少しだけ紹介。レールの間に動くケーブルが引き通され、車両からケーブルを掴んで走り、離して停まる、という方式です。


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終点では人力の転車台で方向転換を行います。周りで見物している人々は全てケーブルカーの順番待ちの客。ケーブルカーは週末を中心に観光客で大変混雑するため、乗車するには忍耐が必要です。私は忍耐がないのでパスです。


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