海外各地の旅行先で出会った鉄道風景を紹介します。日本国内の話題も時々。

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運賃無料のローカル線・林口線「桃林鐵路」

[2010年5月]

林口線は、台北近郊の桃園から伸びる、単線非電化の小さな支線です。もともとは貨物線として開業しましたが、2005年から試験的に桃園~長興間で旅客運行が始められ、更に2009年からは運行区間が海湖までに拡大されました。朝夕2往復のみ、運賃は無料という変わった形態をとっています。

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林口線の起点となる、桃園駅。


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とはいっても、林口線の乗り場は駅構内にはありません。案内に従い、「本当にこの先に乗り場が?」という雰囲気の怪しげな場所へ入っていきます。


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駐車場の奥深く (?) にある、林口線のホーム。改札口も何もない、北海道の無人駅のような簡素な乗り場です。17:10発、海湖ゆき普快車3305次が、すでに入線しています。すぐ隣は西部幹線の線路です。


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使用されている車両は、日本製の近郊気動車、DR1000形。少し前までは、たった2両しか存在しない非冷房気動車DR2510形が主に使用され、検査時などにDR1000形が代打出場するという形でしたが、現在はこちらのDR1000形がメインになってしまったとのことです。毎日乗る側にすれば、冷房車の方が嬉しいのは当然でしょうが、旧車派にとっては、ちょっと残念。列車種別が「区間車」じゃなくて「普快車」なんだから非冷房車を入れるべきだ、なんて言っても無駄でしょうね。


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DR1000形には、運転席と便所に挟まれた、ちょっとした個室のような空間があります。この席に陣取って「後面展望」を楽しむことにします。


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桃園を発車した列車はあまりスピードを出さず、常に20 km/h台。のんびり走ります。


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路地裏のようなところを通っていきます。


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途中駅もこんな感じで簡素なつくり。全ての駅が片側一面のみのホームで、列車の行き違いができる駅はありません。桃園発車時は空席も目立っていた車内ですが、通学の足として利用されているようで、学校帰りの学生で満員になります。


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桃園から40分、終点・海湖に到着…と思いきや、下車客を降ろすと、すぐに列車は再び走り始めます。


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車内には、ヒマな人たちが乗ったまま。


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海湖から、なおも数分走り、こんな何もないところでやっと停車します。


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ここが規定の列車折り返し点だそうで、律儀に毎回ここまで来ているようです。海湖駅近くの踏切が閉まりっぱなしになるのを防ぐためとのこと。列車は折り返して桃園ゆき最終列車・普快3306次となり、来た道を引き返します。


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帰路は、他の席に移って横の車窓を楽しみます。写真に見える建設中の高架橋は、2013年開業予定の桃園機場捷運 (空港連絡鉄道) のもの。開業すれば、空港までのアクセスがぐっと便利になります。


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途中の側線には、貨物用の小さな入換用ディーゼル機関車の姿も。未だ現役だそう。


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桃園の二つ手前の駅 (停留所?)、寶山。この日の宿をこの近くにとってあるため、ここで下車します。今回の台湾旅行で乗る列車は、これで最後。旅の締めくくりは、こんなマイナーな駅で、となりました。


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最後におまけ。寶山駅の隣の踏み切りを通過する貨物列車。だから何なんだ、という酷い写真ではありますが。


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貨物列車が行ってしまった後の寶山駅のプラットホーム。この日やってくる旅客列車はもう無く、街中の駅ながら、ひっそりとしています。


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