バンコク ~ フアマーク : 客車列車でバンコク小旅行・その2
[2011年9月]
タイのバンコクで、朝のわずかな時間を利用して、客車列車での小旅行をしてみます。バンコクから東本線のフアマーク (Hua Mak) 駅までを往復します。
朝のバンコク・フアランポーン (Hua Lamphong) 駅。停車中のこの列車、6:55発バーンプルタールアン (Ban Pluta Luang) 行き283列車に乗車します。
すでに発車5分前ですが、まだ機関車は連結されていません。定刻には発車できそうにない雰囲気です。
車内で発車を待ちます。客車には様々な形式が混結されていますが、乗り込んだのは機関車の次位の車両で、国鉄10系客車に似た構造のBTC1000形客車。あまり客は乗っていません。
発車予定時刻を5分過ぎて、ようやく機関車が到着。5分遅れならまずまずと思いきや、連結後もしばらく停車したままです。
結局15分遅れでバンコク駅を出発。目的地のフアマークで乗り換え予定の折り返し列車に間に合うのか、多少の不安を抱えつつの旅が始まります。
線路を歩いていく通勤客を尻目に、遅れなど全く気にする様子もなく、のんびり走ります。
車両工場がある、マッカサン (Makkasan) 駅に到着。
バンコクを離れるにつれ、逆に乗客は増えてきます。
クローンタン (Khlong Tan) 駅に到着。余裕があるダイヤのため、この駅到着時には最初の遅れを取り戻しましたが、対向列車の遅れのため、結局また発車が遅れます。
クローンタン駅を過ぎると、バンコクのビル群は遠ざかり、車窓には緑が多くなってきます。列車のスピードも心なしか少し増した感じです。
今回の折り返し地点であるフアマーク駅には、8分遅れで到着。ここまでの実際の乗車時間は46分です。ようやく快調に走り始めたところでしたが、残念ながら今回はここで折り返し。後ろ髪引かれる思いで列車を後にします。隣に見える高架橋は空港連絡鉄道「エアポート・レール・リンク (ARL)」のものです。
フアマーク駅は、駅舎もホームも少しだけ立派な、バンコク郊外の主要駅。ARLの駅も近くにあるのですが、「接続している」というには言い難い程度に離れた場所にあります。
帰路はARLでという選択肢もありましたが、いつでも乗れるということで今回は見送り。帰りも同じく客車列車に乗車します。チャチューンサオ (Chacheongsao) 発バンコク行きの388列車。やはり少々遅れています。
こちらの列車は通勤ラッシュで大混雑。どうもこのあたりが最混雑区間のようです。もたもたしてると積み残されてしまいそうな雰囲気のため、写真を撮るのもそこそこにして、列車に乗り込みます。
客車は5両しかなく、車内はすし詰め。せっかくの客車列車の柔軟性を活かして、もっと長編成にすればよいのにと思うのですが。
開け放された乗降口にもあふれる乗客。私も身動きが取れない状態ながら、とりあえず写真撮影。
バンコク中心部に近い小駅、アソーク (Asok) で大勢が下車します。地下鉄 (MRT) の駅が近いため、乗り換え客が多いのかもしれません。デッキ付近の客も車外に出て降車客に道を明けつつ、一息つきます。
アソークを過ぎると、車内にも余裕が出てきます。ようやく全員が何とか座れるくらいの混雑率に。
バンコクが近づくにつれ、客はますます減っていきます。空席も目立ってきた頃、隣の車両に乗り換えてみます。木材を多用したレトロ感漂うこの車両は、日本製の優等客車を格下げ改造したBTC428。中央にトイレがある、半室構造の面白い車内配置です。改造車のため座席と窓割りが合ってしません。
信号停車を繰り返し、そのたびに駅でもないところで乗客が降りていきます。私も降りて写真を一枚。加速が遅い客車列車では、走り始めても飛び乗れば間に合います。
結局、バンコクには約20分遅れで到着。少し長い時間乗車できたということで、これぐらいの遅れはむしろ良しとしたいところです。去り際に、各車の様子を観察していきます。最後尾は、フアマークで最初に乗り込んだ、国鉄10系似のBTC1000形客車、BTC1287。BTC1000形の初期車は日本製ですが、この車両は後期型でタイ国産です。
こちらは、途中で乗り換えた日本製客車の格下げ改造車、BTC428。乗り比べてみた感じとして、乗り心地ではやはりBTC1000に軍配が上がります。とはいえ、どちらも味わいがある車両です。
狭窓が特徴的なBTC418。結構古そうな概観ですが、1950年代頃の製造でしょうか。詳細はわかりません。
車体裾部が絞られたこちらの車両は、車齢が60年近い骨董車両、BTC246。こちらも日本製です。
今回の列車に連結されていた車両ではありませんが、隣のホームに停まっていたので、ついでに撮影。おなじみ、日本から中古輸出された12系客車です。